ももも さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
不条理な感じが拭いきれない…
大学生の主人公「花」は、講義をこっそり受講していた人狼と恋に落ち、子供を産む。しかし二人目の子供が生まれて程なく、人狼の夫は事故死してしまう。
人狼として生まれた二人の子供を育てるため、花の奮闘が始まる…。
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きっと親子愛を描いた作品なんだろうなと思いながら見ていました。
が、人間として暮らしたい長女「雪」の事件は割とあっさり解決し、フォーカスされていたのは「雪」自身の悩みで、親子愛とかの描写にはなりません。
弟の「雨」は森の主の老狐と出会い、あとを継ぐことになりますが、「雨」視点の描写は殆どありません。
母親「花」が特殊な状況で苦労するシングルマザーとしての話として見ても、常に前向きな花が田舎で苦労するのは移住した当初くらいで、あとは温かい住民たちとの交流が始まります。
終盤、結局「雪」は友達?恋人?を見つけたことで悩みを打ち明け、きっと自分の中で区切りをつけ、全寮制の中学校へ進学します。
「雨」は狼であることを選択し、何も語ること無く山に消えます。
にぎやかで幸せなドタバタは一瞬で終わり、子供は巣立ち、あとに残されたのは大学を中退して旦那を亡くした30代(?)の奥さん一人…。
見たあとに残るのは、「花の人生って何だったんだろう」という不条理感でした…(´・ω・`)
巣立ちを描きたいのなら、もうちょい母子の束の間の触れ合いを濃く描いても良かったのではなかろうか。
人狼であるという特異点のせいでイベントが多すぎて、全てがワンカットのシーンのみ(そんなことはないのですが)に感じるくらい密度がなく、薄味の印象でした。
そして設定が設定だけに、残ったパーツを組み合わせると不条理感がすごい。
多分違う感想もいっぱいあるんだろうなと思いつつ。
日テレで放送していたので初視聴。