ひろたん さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
子供は、出会った大人次第で幸せにも不幸にもなる・・・
この作品、賛否両論ありました。
「犯罪」云々については、物語の中で主人公が沙優の母親と直接話をしました。
順番は間違っていましたが、最後は、筋を通したので、一旦それで。
家出少女を題材にした物語なんていくらでもあると思います。
ましてやこの世の中、男女の出会いなんて綺麗ごとばかりではないでしょう。
この二人の出会いもそんな1つのきっかけを描いたにすぎません。
この後、この二人には幸せになってもらえればそれでよいです。
ところで、沙優の立場で考えてみると話の深刻さが分かります。
思春期の子供が友達も学校も親も頼れない状況に陥ったらどうでしょうか。
児童相談所やしかるべきセーフティーネットに相談すればよいですか?
それは冷静な判断ができる大人の意見・・・。
思春期の子供では、実際は、冷静な判断ができないかもしれません。
もうそれしか道は残されていないって思い至ってしまうかもしれません。
今回、沙優も友達の後を追って自殺しなくてよかったと思います。
まずは、どこかで生きていてくれるだけでよかったです・・・。
ただ、家出も深刻な問題には変わりありません。
本来なら子供が最後に頼るべきは親です。
しかし、今回のように親と確執があればそれも難しいです。
では、子供達はいったい最後は誰に頼ればよいのでしょうか・・・?
この作品はフィクションですが、実際、そう言う子供はたくさんいるはずです。
そのとき、出会った大人はどう接してあげるべきか?
そこを問われているのだろうなと思います。
子供であっても一人の人として大切に思ってあげるとか。
冷静な判断ができない子供に代わって冷静な判断をしてあげるとか。
口で言うのは簡単ですが、実際は難しい部分もあるかと思います。
主人公も例にもれず冷静ではない判断をしました。
しかし、沙優のことを大切に思っていたことも事実です。
つまり、黒も白も混ざっている状態です。
実際、人間ってそんなもんじゃないでしょうか・・・。
だからこそ、難しい問題なのだろうと思うのです。
この作品は、妄想を餌にした釣りの部分が多いにあります。
それが、話の内容だけではなく、タイトルにもにじみ出ています。
商売的な視点からだけの結果であれば、あまり褒められたものではありません。
しかし、結果的には見て見ぬふりの社会問題に挑戦する作品にもなりました。
子供の幸せは、良くも悪くも出会った大人次第で決まる部分が多いと思います。
そのことについて、あらためて気づかされました。
そう言う意味では、意義があった作品だったとも言えなくもありません。