シボ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
刻まれる命、生き様。
謎の黒い人(観察者)が生み出した
これまた謎の白い球体が接触したものに擬態することで変わっていく。
そしてそれは人と接触したことで劇的に変化していく。
そんな不思議な生と死にまつわる物語です。
宇多田ヒカルさんのOP「PINK BLOOD」の雰囲気がとっても好きで、
この何とも言えない悲しくて不思議な物語にとても合ってて
アニメ以外でも結構聴いたな~。
物語の最初に出会った狼と孤独な少年。
ただ、ただ寂しい話でしたけど、この出会いは主人公の姿の
ベースとなっていくかけがえのない出会いだったのでしょう。
この物語は出会いと別れ(死)を繰返しつつ進んでいきます。
マーチの幼いながらも将来の幸せな姿を夢見ながらの死。
まるでフシの気持ちを体現するかのように、出会ったキャラへの理解が
深まるほどに切なさが増していく展開がヤバイです。
グーグーの物語は心に残る悲しい話でした。
貧乏だけど兄と夢に向かって一生懸命働く少年グーグー。
そんなグーグーに次々と襲い掛かるあまりに辛い出来事に観てるこちらが辛くなります。
そして瀕死の中、命を救ってくれた酒爺やピオラン、フシと暮らす中で
挫けずに前へ進むグーグーのキャラクターが大好きでした。
フシを自分と兄とのすれ違った運命に重ねたのか、もの凄く大事に
してるのが伝わり、フシが離れられなくなった理由がわかります。
そして恋心を寄せていたリーンとの再会。
悲しすぎる別れの物語はエンディングへの演出の上手さなのかな・。
ちょっとびっくりするくらい涙止まらないんですけど~~。
このグーグー編を観れただけでもこの作品に出会って良かったな。
ジャナンダ編でのトナリは、もう出てくるなり最後はどんな死が
待つのかって観ちゃったのが良くなかったのかな~、
ちょっとこの特殊な島の人々の感覚をあまり理
解出来てないとこあったせいか、ジャナンダでの出来事は物語の停滞を
感じたかも。
(トナリが生き残ったのは素直にホッとしました。)
それにしてもノッカーの存在はあえてなのか敵としての魅力は
全く感じないし、まさにゾンビ、下級のエイリアン?みたいで
残念な存在でした。
この先の物語でノッカーの正体やフシを襲う意味とか語られるのを
期待します。
出会いがあるものの毎回別れを経験してきたフシ。
20話での最後は
読み書きから、人間らしい振る舞い。生き抜く逞しさを身をもって
教えてくれたピオランとの別れ。
自らは死なない、死ねない体で必ず悲しい別れを繰返してきたフシ。
そんな死というものを恐ろしくて受け入れられないフシに
ピオランは自らの寿命
(90歳くらいって生き抜いただけでも賞賛なんですよね)という形で
人は死を避けられない。
ただ生きてるってことより生き方、生き様が大事であって
その生が幸せだったって言えることがなによりも素晴らしいんだって
最後に教えているような気がしました。
(正気に戻ったピオランの死の間際にフシを案じて黒の観察者へ
語り掛けるシーンは涙出ちゃいました><!)
観察者の冷静で冷酷な口調のわりに語りかけに真摯に答える立ち位置
も好きなところです。
(CVの津田 健次郎さんの落ち着いた語り口がホント素晴らしいな~)
フシがどう変化成長していくのかが今後も楽しみです!
2022年秋の続編、ちょっと先だけど期待の作品です。