ミュラー さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
超戦術的サッカーアニメ
面白いよこれ。
サッカー好きならハマるんじゃないかな。
最初の第一話を見たときは、なんだこりゃと思いましたが・・。
久乃木学園の練習試合、恩田のルーレットシュートには驚いた。イブラヒモビッチかよ!
というか、このアニメ全体に言えることだけど、主人公の恩田が活躍する回は面白い。
終盤の10~12話なんか最高に面白いんだよね。
まさに一人でゲームの雰囲気を変えられる選手だ。
アニメ表現、頑張っていると思うし、体の芯をうまく表現していて、違和感なく見られる。
トラップの表現や井藤の華麗なヒールパスなど、サッカーを知っている人ほど感心するんじゃないかな。
恩田やファンタジスタ井藤の華麗な身のこなし、ロッペン並みのスピードスター周防、ロベルトカルロスを彷彿とさせる佃のキック力、曽志崎の視野の広さ、スキラッチかよと思う白鳥のオフサイドなど。
キャラというかサッカーにおける特色が良く表現されている。
これだけのタレントが揃うチームは強いよなあ。
浦和邦成の26番、桐島。ゴーグルしていてダービッツみたいと思ったらその通りだった。
作中ロベカルやベッケンバウアーなど、かつてのスーパースターの名を実名でしゃべっているが、原作者はよほどのサッカー好きだと思う。
浦和邦成戦、ダービッツとストイコビッチこと恩田のマッチアップが熾烈だけど、見どころはそこではなく、恩田をカバーした曽志崎と周防のコンビネーション。
曽志崎、恩田のワンツーから周防のアーリークロス、白鳥のダイビングヘッドなど。鳥肌ものだよ。
サッカーがチームスポーツだということを思い出させてくれる。
カテナチオ守備を誇る浦和邦成の壁を破るコンビネーションは圧巻だ。アントニオ・コンテなんてどれだけの人が知っているんだ。
邦成のFW、安達太良を偽9番、リヴァプールのフィルミーノに例えるなんて、今現在のブラジル代表じゃないか。よく知っているよなあ。
このレビューを見て、サッカー選手の個人名がほとんど分からないという方には、このアニメの面白さは伝わらないかもしれない。
とにかくフットボールの戦術に特化したアニメ。
こんだけ戦術にフォーカスしたサッカーものは、過去に知らない。
「私たち、フットボールしているよ」というのは感動の名言だ。
女子高校生のサッカーを舞台にしたのはなんでだろう?
男子高校生サッカーの選手権大会は毎年盛り上がっているので、結構いいと思うんだけどねえ。
パワーとスピードで見劣りする女子サッカーだからこそ、戦術が生きるということか?
なでしこジャパンも協賛しているけど。女子サッカー課題多いし。
そんな女子サッカーの問題を、作中でまともに考えているのが、競馬雑誌しか見てない監督というのも面白い。
顔の区別がつかないのは欠点かなあ。
このアニメで女子サッカーの人気を・・なんてことは考えていないと思いますが、数多くのサッカーアニメ作品の中でも、個人的にもとても評価に値するアニメだと思います。