anime さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人間はときに非道い。けど許す心もある。
小学生の頃、耳が不自由な転校生のヒロインをいじめてた男の子が主人公。いじめがバレてから逆にいじめられてすっかり内向的になった彼が高校生となり、自殺まで考えるようになりながらも、彼女と再会し過去と向き合い始める・・・というお話。
終始シリアスで重たい系。
すごくいろんなことを考えさせられました。
特に植野さんの役どころがよかったですねー。
ヒロインに対する「あんたさえいなければ」という酷すぎる物言いには、実は人間の情動として目を背けられない部分をはらんでいて、そこにちょっと込み入ったドラマが生まれます。
なんだかんだ言いながらも、いちばんヒロインと真正面から向き合っていたのは彼女だったとも思うんですよね。
ラストにかけての急展開にも目を見張るものがありました。
救いと希望のあるエンディングでしたが、同時にそれは、間違ってしまったことを許す心があってのもの。いじめに加担したこと、見て見ぬ振りをしていたこと、自ら命を絶とうとしたこと・・・他人を、そして自分をきちんと許すことの難しさみたいなものを同時に感じさせてくれるような深みのある締めくくりだったと思います。
作画や映像も素晴らしかったー。
特に冒頭の数分間のスリリングなカット・演出はたまらなかったです。一気につかまれました。
これだけ重厚なテーマの作品だけに、世に出るまでには様々な葛藤があったと思います。
携わった人たちに最大限の賛辞を送りたいです。