「SSSS.DYNAZENON(TVアニメ動画)」

総合得点
76.1
感想・評価
356
棚に入れた
1138
ランキング
739
★★★★☆ 3.8 (356)
物語
3.6
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.8
キャラ
3.8

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

とりあえずの簡単な感想

 特撮ドラマの「電光超人グリッドマン」は未視聴。
 「SSSS.GRIDMAN」(以後、GRIDMANと表記)の続編ではないということで、コンセプトや
基本設定は同じでも、作品世界はまったくの別物だと思っていただけに、途中で
グリッドナイト同盟が登場したのはなかなか嬉しいサプライズ。
 アンチ君もアノシラスちゃんもすっかり大きくなって、久々に親戚の子に会ったような気分w。

 コンセプトが同じみたいなことを書いたが、全視聴後だと根本的な部分は異なっていた感が
強く、GRIDMANはあくまでヒーローもの要素第一だったのに対して、本作はむしろ
麻中 蓬ら悩みを持つ若者たちの青春群像劇がメインといった印象。
 GRIDMANも新条 アカネの精神的問題があったが、それもヒーローものとしての
ストーリー要素に関わる重要部分であったが、本作はそれぞれの要素が別々に
進行しているような感じで、乱暴な言い方をしてしまうと、青春群像劇視点では
ダイナゼノンなどのヒーローもの要素は、蓬たちが悩みを飲み込んで前に進むための舞台装置に
すぎない感じ。
 これはそれぞれの悩み要素も同じような感じで、南 夢芽の姉である香乃の死や山中 暦と
稲本さんの中学時代の交流なども謎めいた演出をしながら、真相はそれほど重いものや
秘密めいたものではなく、怪獣とも関係ないものだった。
 この根底にあるのは青春群像劇という点では同じTRIGGER制作だと、むしろ
「キズナイーバー」の方が近いのかも。

 一方のヒーローものとしてのストーリーラインの方はガウマと怪獣優生思想を対立軸とする
比較的シンプルなもの。
 鮮明にならないまま終わってしまった設定なども多々あったが、前述のように舞台装置として
割り切るなら、そのままでもいいのかなとも思うし、最後に次回作の予告がなされていたが、
その次回作で明らかにするつもりなのかも。

 敵としてガウマに敵対する怪獣優生思想だが、テーマやコンセプトに則した立ち位置では、
蓬たちに対峙するキャラといった印象。
 蓬達の進み方の多くが人や社会との関わり合いを持つ、それこそ蓬の言う「かけがえのない
不自由」を選んだのに対して、怪獣優生思想はラストのシズムと蓬の会話に見られるように、
自由を求めるという対照的な存在といった感じ。
 人類社会を破壊しつつ、「ROUND1」的施設で娯楽に興じたりと「不思議な連中だな」と
思っていたが、自身の要求に素直に従って行動しているのだと考えると腑に落ちる。
 行動を共にすることが多いのに4人自体の絆が感じられず、怪獣がいなくなったと知ると
すぐにバラバラになるところなど、怪獣優生思想はある種の不自由である組織やグループといった
ものではなかったんだろうな。

 バトルの方はGRIDMAN同様に往年の特撮ものやスーパーロボアニメのオマージュ感が強い
燃えるもの。
 特にダイナゼノンになるそれぞれのメカに皆が搭乗する形を取っているため、合体ロボものの
色合いを強く感じる。

 キャラクタードラマ色が強いせいもあり、キャラは総じて魅力的。
 個としての魅力もさることながら、主筋とは関係ないどうでもいいものも含めて、
キャラ同士のやり取りがいい味がある。
 これはGRIDMANの頃から、そういった面があったが、本作で更に磨きがかかった感じ。
 個人的にはこのキャラなら、ヒーローもの要素皆無の単なる青春ものでも楽しめたように
思える。

 敵味方に分かれて、激しい戦いを繰り広げている割には全体に漂うのはのんびりとした空気感。
 河川敷を中心とした作品舞台がこの雰囲気にやけに合っていた。

2021/06/27

投稿 : 2021/06/27
閲覧 : 235
サンキュー:

4

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