nyaro さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
中世ルネサンス美術を扱うなら、それなりのリソースが必要でしょう。
原作は大好きです。確か女性の原作者なので、ヒロインの職業画家になるための奮闘を繊細な絵でみせてくれます。
ということでアニメでもストーリーはいいのですが以下の点が不満足でした。
声優さんの演技が過剰で、まあ、確かに奮闘しているんでしょうけど、うーん、もう少しおさえてくれた方が、闘志を感じた気がします。騒がしいだけ、になっている場面もあります。
メインキャラの高級娼婦が代表的なんですが、ゴージャスに表現すべきところがあんまりゴージャスじゃないんですよね。光沢とか光を使えていないので、髪や宝石、衣服の質感が伝わってきません。予算があるのはわかりますが、貴族を描くなら少なくともここは表現すべきでしょう。
肝心の美術作品のレベルも厳しかったです。完成の感動がないです。止め絵で十分なのできちんと表現すべきでした。
全体的な作画のレベルが水準に達していない気がします。一応丁寧に仕上げたのか、作画が乱れている場面は少ない気がしますが。
話も尻切れトンボでした。
つまり、中世ルネサンス期における美術を扱うにしては、また、ヒロインの活躍を見せるには、金も尺もひょっとしたら人や時間も、圧倒的にアニメ製作のリソースが不足していたのでは、と思います。
なお、やっぱりアニメ業界は製作本数を減らして、1本1本のレベルを上げて行かないと後の世代に残る作品が作れないのでは、と思います。リスクを分散したいんでしょうけど、自分の首を絞めているのではないでしょうか。
原作の出来からいって、この水準のアニメしか作成できないのは、ちょっとお粗末では?と思います。