nyaro さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
話は現代でいえばテンプレですが、面白かったです。
最終兵器彼女とコンセプトはほぼ一緒ですかね。原作の時期的にいって、世界系が広がり始めた時期です。最終兵器彼女との類似性は時代の共時性といいますか、偶々一致したということでしょう。その後も少女が自己犠牲で世界を救済する話はいくらでもありますしね。
問題はその最終決戦に向かうまでのプロセスが大事になるわけです。本作は、ボーイミーツガール、楽しい日々、少しづつ明かされてゆく少女の謎、破綻への足音、思い出作り、そして、別れからの結末という、筋書きは、当時は良く知りませんが今となってはテンプレです。
肝心なのは、少年少女がどう振舞うか、どれくらい悲壮なのか、どれくらいの危機なのか、それぞれのエピソードの内容、演出はどうなのかという話になります。
本作においては、ミーツのところが少し不自然ではあったものの、その後の展開は非常に面白く、また、少女と少年の日々が可愛らしくも切なく描かれていて、なかなか面白かったです。
ヒロインの身体症状が説明不足で先行きの不安感の演出があいまいでした。その代わりに「記憶」で物語を作るところが少し安易ですし、記憶のエピソードが最後の感動につなげられていないこと。結論のヒロインの心情というか身上が、第3者からの手紙で明かされるというのも、説明くさくて良くなかったですね。
ただ、非常に綺麗に物語が畳めていますので、見終えたときの満足感は大きいです。
6話完結で、テンポが良くて、ストーリーもいいし、ヒロインも可愛いので、いい出来だと思います。いろいろ言いましたが、上中下でいえば上に入る作品です。
最後の数分に、{netabare}ヒロインがひょっとしたらまだ生きているのでは、{/netabare}という痕跡を探すくらいには、入り込みました。残念ながら見つかりませんでしたが。