nyaro さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
聖母と悪女の対比が素晴らしい。
少年少女が生きるために何をするのか、何をさせられるのか。このテーマに関していえば、非常によく描けていました。
特にラクス様とフレイの比較。聖母と悪女、ですよね。キラという存在を鏡にして、でも、お互いそれぞれの生き方には説得力がありました。
カガリはどちらかといえばデスティニーの方がいい活躍をしていました。
フレイがどうやったら自分は生き残れるのか、あるいは復讐できるか、という部分が子供向けと言われるシードの中では光っていました。男2人の間での心理的な駆け引きや、実際身体を使ってまで彼女は懸命に生きようとしました。極限状態の中で本当に2人の男にどこかで惹かれていたのでしょう。
最後の方は、あまりに可哀想というか「女としてよく頑張ったよ。お前は」と言いたくなるくらい、ガンダムシリーズの中でも出色のキャラとなりました。
その対比としてラクス様です。初めに登場したピュアな感じのアイドル歌姫から、後半の反政府組織のリーダーというか精神的支柱として、頑張っている姿。父の死でも気丈にも涙を流さなかった彼女が、キラと再会したときにキラの胸で泣いてしまいます。その少女としての可愛らしさ。
アスランとの別離のシーンもカッコ良かったです。あのミニスカで艦長席にいる姿。アニメ的な演出過剰感があって、なんだこりゃ、と思ってはじめは見ていましたが、はまってくると、あれが良くなってくるから不思議です。ラクス様は危機に際してもギャーギャー騒がないのが本当にカッコ良かったです。
あと、ナタルとラミアスの対比もなかなか良かったですね。特にナタルは、正論を言うだけでは何も人の心に響かない、というのを身をもって見せてくれました。
(そうそう、フレイとナタルって、同じ声優さんなんですよね。どういう意図なんでしょうか)
で、アニメそのものは正直、ガンダムとしての話や戦争の話は、確かに子供っぽいところはありました。
フラガ大尉も、デスティニーまで行くと、ちょっと感動があるんですけど、ウーンという感じです。
ですが、ラクス様とフレイの対比が素晴らしく、歴代ガンダムでもファーストに並んで人が描けていたのではないでしょうか。
賛否別れますが、私はかなり面白かったと思います。