ウェスタンガール さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
怪獣目線
前作の『SSSS.GRIDMAN』は明らかに“人目線”であった。
少なくとも、踏みつけられ、死んでゆく人の姿が示唆される演出が数多くあった。
勿論それが、電脳世界という特殊な環境を引き立てるための道具立てであると言ってしまえばそれまでだが、怪獣の大きさを実感することが出来、結果としてドラマに緊迫感が生まれたように思えるのである。
さて、今回はどうだろう。
どうやらここは現実世界であり、本来なれば、もっと凄惨な描写があっても良いところではあるが、敢えてそこは封印し、ダイナゼノンと一体化し、怪獣に立ち向かうという手法が取り入れられている。
元カノの旦那を助ける“せんぱい”や、ラストに見られる街の惨状はご愛敬程度、リアルさを諦め、キャラに特化したヒーロー物の世界なのだ。
メインはやはり低血圧なキャラたちの掛け合いの面白さということになる。
付かず離れず、何とも言えない距離感が絶妙だ。
怪獣優生思想の面々のテンションも輪をかけた低さである。
でもそれが良い。
味わい深く、何故か想いが伝わってくるのである。
戦争を経て無邪気に悲劇を語った昭和、暑苦しさから逃避を図った平成、全てを俯瞰して見せる令和である。
熱く語る日々は終わったようだ。
そんな中、幼女を卒業した二代目さんの笑顔や良し :)