nyaro さんの感想・評価
2.9
物語 : 1.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 2.5
キャラ : 4.0
状態:途中で断念した
深層学習型AIの話でしょうね。その割に深さが足りません。
12話で断念しました。
アニメのレビューの頃合い感は難しいもので、対象年齢、エンターテイメント性、思想性、社会性、謎解き、SF度等々考慮しないと間抜けなレビューになると思います。
エンタメやギャグに思いっきり振った異世界転生もの、例えば「このすば」に、設定の矛盾とか、人の死と争いとか、思想とか持ち込んで批判しても馬鹿に見えるだけです。
じゃあ、本作はと考えると、主要な登場人物の死の有無、絵柄、楽しいか、ギャグがあるか、子供向けか、SFや世界観の作り込みの度合い等々考えると、ほぼ一番上の年齢層を対象とした、シリアスで、主義主張のあるアニメに見えます。
ですが、そのつもりで見ると、やってることは俺TUEEE+感動ポルノなんですよね。
不滅というからには時間経過が大事だと思いますが、あんまり時間も進んでないですし。1クールではないみたいですが、不滅の悲哀も、人々の死から読み取れることもなく、ただ、人と人とのつながりを死で断ち切って、泣かせてるようにしか見えません。
今後があるかもしれませんが、1クール付き合ってこれですと、ちょっと厳しいと思います。マーチの亡霊?を出したところでもう無理になりました。
12話の区切りのいいところで断念します。
以下、途中のレビューです。
11話まで見て一旦、感想を。次回または次々回の結果の予想がつくので少し苦言も含めて、です。
学習型AIというものがあります。初期条件だけ与えられて、あとは学習させてゆきます。深層学習ディープラーニングという奴です。
将棋の世界で有名になりましたが、どういうロジックで相手に勝つか、ではなく、何万という過去の対戦記録を学習することで、最善の手を導き出します。
グーグルマップ、ありますよね。あれも、もともとゼンリンの地図データを買っていたらしいですが、今はユーザーの移動情報を深層学習して地図にしているみたいです。素人なので詳しくは調べてください。
つまり、本作の主人公、フシそのものですよね。時代設定をずらしていますが、要は深層学習が行き着く人間性の獲得です。あのノッカーという存在からいって、本来は戦闘用あるいは生存本能をつきつめる方向で進化させようとしていたのでしょう。
ですが、少年やマーチ、パロナ、グーグーとの出会いで、人間性を身に着けて行ったという話になると想像できます。
世界観のミスリードがあるせいで、そうは見えませんがテーマ的にはSF、AIアンドロイドものであることが明らかです。
そして、個々のエピソード。少年、マーチとああいう結果でした。グーグーも恐らくそうでしょう。それぞれ悲しいながらもキャラが描けていていい話でした。ですが、原作者は聲の形でなにか、変な方向に入った気がします。聲の形は素晴らしかったです。その前作のマルドゥックスクランブルも大好きです。しかし、この2つの経験が「感動」を意識するばかりに悪い方向に行きかけているのでは?と思います。
特にマーチで、{netabare}マーチの死の意味を考えると、視聴者(読者)に与える意義としては涙、以外にあったでしょうか。私にはあまり意味は見出せません。むしろ、一回助かっているだけに「悲劇」性が高まっているだけ、パロマの存在がそれを強調しているだけ、に見えます。
{/netabare}
この作劇法を使っているということは、次回または次々回の展開は簡単に予想できます。グーグーが死んで、フシが切れて大暴れして、グーグーの周囲の人たちがあいつは良い奴だったと悲しむ、フシは去ってゆく。ということでしょう。お姫さまの可能性もありますが、フシとの関係から言って、グーグーでなければ「悲劇性」が足りないでしょう。
また、グーグーの次ぐらいでは、一回パターンを崩しに来るかもしれません。
間違ってたらごめんなさい、ですね。いや、外れてくれることを祈ります。
これが当たっているなら、問題です。深い作品を作っているつもりなら、考えさせようという意図がある作品なら、ここは本当に安易な方向に進んでいないかを原作者は反省すべきでしょう(原作はこの理由だけではないですが、押しつけがましいので1巻で切りました)。
無垢な存在が人間性を得る話は、出会い、事件、そして別れか死。そして最後のカタルシスと、作劇は簡単です。今のところこのラインを超えていない気がします。
SF的などんでん返しで意外性だと思わないでほしいです。こういう話は途中のプロセスが大事だと思いますので。
マーチに免じて、キャラは4点にします。宇多田ヒカルはもういいです。
ぜひ(悪い意味での)期待を裏切って欲しいものです。