やまだー さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 2.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
重すぎる100年と言いながらご都合主義
【前説】
このアニメは最終章前後で大きく評価がかわる作品であると思う。
どうしてそうなるのか、この作品の欠点を羅列しようと思う。
【欠点】
•まず、vivyはある人物の自殺を目の前で見てしまいそのショックでフリーズしてしまう。最終的にvivyは立ち直りはするものの「人の自殺」という事象を明確に乗り越えられたという描写はなかった。vivyはこの自殺で相当重い傷を負ったと思われるので、物語としてここを無視して進むのは中途半端だったのではないか。
・そしてこれが最も大きなポイントだと思うが、二度目のvivy自身によるタイムリープである。vivyはご都合主義により「歌で世界を救う権利」を得たわけだが、vivy自身のトラウマにより歌えず世界を滅亡?させてしまう。その後同じくご都合主義でもう一度滅亡前の世界へタイムリープするわけだが、この二度目のタイムリープ前後でvivyがどうしてトラウマを克服できたのかというところが非常に曖昧である。
【結論】
上で挙げたことが結局、「vivyがトラウマを背負っていきながら最後はご都合主義により世界を救う最終章」に繋がってしまった。
勿論、長月作品はハッピーエンドで終わらせるわけではあるが、vivyが様々なトラウマを抱えながらハッピーエンドに至るというところはご都合主義を強く感じ違和感を覚えてしまった。
しかし、トータルで前半は覇権の勢いであったということとそれ以外の評価をやや辛めにつけさせて頂いたので物語としての評価は☆4とした。
【余談】
結論に書いた通り前半は神作の域に入っていたと思うし、豊作とは言えない2021春作品の中ではそれでも上位に入ってくる力はある作品だと思う。
しかし、やはり100年という時間を13話構成とするのは話の内容と違い、あまりにも軽かった。
本当に神作になると信じていたので、良作止まりになってしまったのは残念であった。