ウェスタンガール さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
グリース!
これ以上はネタバレなんで黙っておくが、“すごく優しい男”、キムタク演じるJPのロカビリーポンパドールは伊達じゃねぇ、とだけは言っておこう。
同じ年に制作されたガイナックスの『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』がカートゥーンアニメをオマージュした洋風日本アニメであるのに対して、これはまさしくアメコミそのもの、アートワークに至っては芸術の域に達しており、リキテンシュタインも最敬礼の出来栄えであると。
構成脚本はCM界の鬼才、『鮫肌男と桃尻女』で名を馳せた石井克人、そして監督は、石井の次の作品、『PARTY7』のオープニングアニメのディレクターを務めた小池健である。
そんな訳で、劇伴、声優陣は石井組の面々が名を連ねることは自然の成り行きか。
であるが、である。
この作品から噴き出すエネルギーの凄まじさといったらない。
これは、スターウォーズにベンハー、マッドマックスやマトリックス、AKIRA、千と千尋の神隠しと、さらにはマッハGoGoGoやら何やら、古今東西、クールでセクシーなアイテム全てをぶち込んで、アメコミワールドを爆走するレースアクションであり、一発キメて、ジェットローラーコースターにご招待レベル、サイコビリーな怪作であると断言する。
何より、これを観ずして人生を終えるなど、悔やんでも悔やみきれないレベルであるにもかかわらず、今の今まで、誰も教えてくれなかった我が身の寂しさよ、である。
同じくdアニメにて配信されているオムニバス映画、『迷宮物語』の中の一話である『走る男』と見比べてみるのも面白い。
そこからは、日本のアニメの魂を、その凄まじき執念を感じ取ることが出来るはずだ。