トリプレット さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
忘れないでよかった
Relifeという高校生活のやり直し期間が終わってしまったら、相手の記憶から自分(被験者として選ばれた主人公)の記憶が消されてしまうという切ない設定。
このアニメのポイントは、なんと被験者が同じクラスに2人いて、そして恋に落ちてしまったこと。
悲しいことに、被験者同士の記憶も消されてしまい、被験者同士で知らず知らずのうちに自然と引き合って実った恋は、やり直し期間終了後に記憶から消えてしまった。
なんと切ない、どうにかハッピーエンドにはならないものか、と思っていたけど、ちゃんと用意されていた。
記憶は消されていたものの、クリスマスデートの日に購入したペアキーホルダー、そして、再就職先は同じRelifeという取り計らいだ。
被験者のサポートであった、とくに三つ編みメガねさんの方は、日代さん(女性被験者)に強くRelife就職を進めていた。
これは規則に違反しない範囲で、例え記憶が消えてしまっても、二人の仲を再度取り持ちたいという趣からであろう。
物語の最後のシーンには、二人は記憶を取り戻してめでたしめでたし。
余談だが、今回被験者に選ばれた二人は、本当に現実にも存在していそうな、社会での躓き方をしてニートになってしまった二人であるがゆえに、思うところがあった。
一人はとても真っすぐで誠実な性格で、それが故にゆがんだブラック企業の闇に触れてしまって3か月で会社を辞職し、次の会社にも就職できずに、自信をなくしてしまってニートになってしまった。
もう一人は幼いころから転校を繰り返し、それゆえに自分の感情を押し殺すことが習慣化してしまって(本人分析)、まわりに上手く馴染めず成績だけは優れた方。性格はとても生真面目なんだけど感情表現が苦手で回りに理解されず、結果就職に躓いてニートになってしまった。
正直、こういう人たちが社会でニートとして現実に存在していることは社会の損失だし、人の役に立ちたいと思っているのに、それを生かせない社会の仕組みももどかしい。
Relifeは、そういった歯がゆい思いをして、眺めていることしかできない人々の気持ちを、アニメの中ながらも、スカッとさせてくれる、そんなアニメだ。
物語の最後で恋が実るのも素晴らしいが、再就職に成功して自信を取り戻していく姿には拍手喝采だ。
高校を卒業して久しいが、このアニメはそのときの瑞々しい感性と真っすぐな気持ちを思い出させてくれた。
このアニメに出会えたことに感謝します。