RFC さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
極端なキャラで同調しづらいものの、問題提起の物語
ラノベにありがちな長ったらしいタイトルと
ご都合ラブコメ臭プンプンのキャラ配置。
普段なら手に取ることがない作品ですが、
あにこれでの評価が高いので視聴開始。
【作品概要】
根暗で陰キャでぼっちの主人公 比企谷八幡。
斜に構えたナメた作文を提出したことから強制的に
奉仕部に入部させられます。
そこでクールなぼっち美少女雪ノ下雪乃に出会います。
いろいろな問題を抱えて奉仕部を訪れる生徒たちとの
あいとゆうきの青春コメディ(やや誇張表現が含まれております)
【作品に対する感想】
キャラの印象が最初と最後で90°くらい変わる作品です。
冒頭の八幡のねじ曲がり過ぎた独白を聞いてるだけで
試聴意欲の90%くらい奪われ、1話切りを考えましたが、
話が進むにつれて歪んでるなりに薄っぺらいだけの奴じゃない
ことが徐々に伝わってきたため、完走できました。
思ったより重たい話も多かったです。
で、その解決方法がスマートな方法ではなく、
「もっとええ方法ないんかい」ってモヤモヤしつつも、
続きが気になる変わった作品でした。
2期があるようなので、継続視聴します。
1)物語
自己肯定感が異常に低い主人公、比企谷八幡。
そんな人間の発想が自分や周囲にどういった結果を
もたらすか…そういったことが描かれています。
物語としてスッキリしなかったり納得できないところも
あるんですけど、問題提起としては意味があった作品
なのかなと感じます。
2)作画
比企谷の魚が死んだ目、ホントに死んでますよね。
3)声優
柚木涼香さん、オーディオコメンタリー面白すぎです。
私もいくつになってもこういう下ネタ、好きなんでしょうね。
5)キャラ
姓名で韻を踏んだような変な名前が多いです。
それなら全員そうした方が統一感あるのに、
そうでない人もいますけど。
➀比企谷八幡
言ってることは分からんこともないんですが、
苦手なタイプです。
・1話冒頭
1話切りを真剣に考えさせられた主人公。
「やらない理由を先に考えて、言い訳ばっかりで
逃げ回る奴」
は非常に嫌いなタイプで
「うわ、アニメ選び失敗した」と感じました。
・中盤
頭の切れはいいみたいです。
ただ、やっぱり一回失敗したくらいでしっぽを巻いて
避けるのはどうかと思います。
・終盤
こ奴の在り方はFateの聖杯を連想します。
願いを破壊という形で成就させる…。
例えば戦争がなくなれば…という願いに対して、
人間がいなくなれば戦争がなくなるから疫病で
全滅させてしまえといった。
ただこやつは皮肉ってるだけじゃなく、手段はともあれ
行動するところは評価できると思います。
➁雪ノ下雪乃
・序盤
言葉のナイフ少女ですが、言ってることは正しいと
思うので、肯定的に捉えてます。
ソースは私…これがあるからこの娘魅力的に感じます。
自分を貫き通す強さを持ってるんですよね。
・終盤
お姉ちゃんの跡をついていってるだけ?
だとしてもすごいんでしょうけど。
でも最後の方では姉ちゃんを認めさせる
成長を見せましたね。
➂由比ヶ浜結衣
アホの子担当みたいな感じですが、
変人ばかりのレギュラーメンバーで、
唯一普通感漂う子ですね。
➃平塚静
この先生最高!この先生ならグーパンされてもいいです(笑
➄比企谷小町
この娘ホントに中学生か?と思うくらいコミュ力高いですね。
フォローすげえです。
➅葉山隼人
イケメン、陽キャのすげー良い奴。
八幡の対極の立ち位置なのでしょうか。
すごく理想論なんですけど私はこやつの考えを
推したいと感じました。
あとこやつが凄いのは、対極の八幡の考え方を
「納得できないけど、理解しようとしている」
ところなんですよね。
6)印象深いシーン
{netabare}
➀由比ヶ浜結衣 「バカ」
素直に向けた好意や善意が、
疑いによって受け取ってもらえないとき
どんな気持ちになるか体感させてもらいました。
私も対人関係はどうも勘繰る癖があるので、
ちょっと態度を改めようと思いました。
➁人間関係を見限った小学生
割と問題あるシーンと思う林間学校の話。
子供の内は本当にどうしようもなくなったら
見限るのも一つの手と思います。
学年が変われば小さなシャッフルは発生するし、
進学すると大きくシャッフルされるので、
リセットできる機会があります。
ただ社会に出ると、強制的にシャッフルできる
チャンスはほぼなくなり、シャッフルするには
リスクや対価が必要になるんですよね。
となるとシャフルせずにちゃんと人間関係を構築できる
術を持っておいた方がいいと思います。
私は「無理に合わせる必要はない。合わせられる範囲で」と
人間関係の90%を見限った時期がありました。
今思うと、+2割くらいは適当に合わせて、処世術を
学んだ方がもっと強い私になれたのかも…と思っています。
➂実行委員で割り切った雪乃
上がバカなら傀儡にして使ってしまえと割り切った雪乃。
いい判断だったと思います。
理由はどうあれ、相模は自分から責任者に
なったんですから責任を負えって話ですね。
➃文化祭 相模抹殺
八幡の指摘はごもっともと思います。
相模は他人を見下してないと自分が維持できない人の
典型ですね。
ただ八幡も相模を再起不能になるまで追い込む
必要はなかったかなと。
さすがに相模も現実を知ったことで、
反省して変わると思います。
(これで変わらなかったら本物の馬鹿なので、
改善の余地なしと思います)
{/netabare}
7)名言・迷言に関して
{netabare}
➀最低限の努力をしない人間には才能がある人を
うらやむ資格はないわ。
成功できない人間は成功者が積み上げた努力を
想像できないから成功しないのよ。(雪ノ下雪乃)
これ凄く同調します。
ついでに言うと、力を持った人はすべて才能によるもので、
先天的に何もかもが常人と違うと
勘違いしている人がいますよね。
ごくごくごく一部にそんな天賦の才の方もいると思いますが、
大半は何かしらの対価を払い、努力してきた人と思います。
➁世界は変えられない、自分は変えられる。
自分を変えることとは、周囲が間違っていることは
沢山あるのにそれに屈して隷属すること。(比企谷八幡)
事実とそれをどう考えて対応するかの話と思います。
世界は変えられない、自分は変えられる…
99%の人はこれに該当すると思います。
1%の世界を変えられる人は、どうぞ世界を変えてください。
99%の人は歪な世界に対してどう考えてどう行動するかは
自分で選べます。
八幡のように負け・隷属と考え、
自分を変えることを否とするならば
自分でその結果を負うことを前提にお好きなように。
逆に自分を変えることを選ぶのも、
自分でその結果を負うことを前提にお好きなように。
要は選ぶことは自由ですが、どちらも自分で選んだ以上
その結果は自分で責任を負う…ということかなと思います。
選んだ挙句に「世界が悪い」って関係ない人を
テロに巻き込まないように。
➂みんなでやることが素晴らしくて、
みんなでやることがいいことで、
じゃあ、一人でやることは悪いことなのか?
どうして、今まで一人でも
頑張ってきていた人間が否定されなきゃいけないんだ。
(比企谷八幡)
これは論点がずれてると思います。
一人でやることを否定しているんじゃなくて、
一人でやれることには限界があるってことだと思います。
他人を巻き込んで束ねるには、価値観や優先順位が違う人を
納得させる必要があるんで、調整力が必要だと思います。
➃一人に傷を負わせてそいつを排除する。
……一人はみんなのために。
よくやってることだろ(比企谷八幡)
きつい指摘ですけど、これも現実なんですよね。
私も中学生頃にこんなことよく考えてました(歪んだ思考)笑。
大人の世界でもこんなことが普通にまかり通ってるので、
一側面としては間違ってないと思います。
だからそれに抗う力は必要なんですよね。
だからそれに抗ってきた雪乃は好印象なんですよ。
強者だから何をやっても許されるわけではないと思いますが、
弱さを武器にするのもまた違うのかなと思います。
➄人という字は片方が寄りかかってる。
誰かが犠牲になることを容認しているのが人の概念。
(比企谷八幡)
搾取する側、される側。
搾取する側が悪のことが多いと思いますが、
される側にならないように、いなして流す力だったり
圧倒して黙らせる力だったりが必要なのも事実なんですよね。
➅たとえ君が痛みに慣れていたとしても、
君が傷つくのを見て痛ましく思う人間がいることに
そろそろ気づくべきだ。
(平塚静)
これいい言葉だなと思います。
自己肯定感が低い人ほど自分の命が勘定に入ってない発想に
なりがちですが、自分はそれで納得するとしても、
「アナタ」を大事に思ってる人はとても納得できない…と。
珍しく「うす」って素直につぶやいた八幡が良かったです。
{/netabare}