take_0(ゼロ) さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
控えめに言っても、この手のジャンルでは傑作と言ってよい。
ちょっと、地味なのとめんどくさそうな作品と勝手に判断して、観る機会を逸していた作品。
実写連ドラになっていたことは、なんとなく知っていた。
あにこれの評価でも高めの評価がついていたので、
観ないとな~とは思っていた。
時間が繰り返す系の物語は今となっては、そう珍しくもない現状だろうけど、この作品は一味違うものを持っている気がした。
私が良作を観た際に言うワードの一つに「とても多くの要素を含んだ作品」と言うものがあるのだが、この作品は正にそういった作品だと思えた。
表面上に見えるものだけでも、子供が被害にあう犯罪、子供の虐待、理想の母像とダメな(と言う訳ではない、厳密には大切なモノを見失なった愚かな)母。時間改変モノとしての作品の魅力、犯人は?というミステリ的な要素・・・、ある割合で必ず存在するであろう(最初から)ゆがんだ存在とどう向き合うか、わが身の子供時代をつい思い出してしまうようなノスタルジーを誘う要素もある(子供時代の仲間って本当に懐かしく感じる)、もちろん大人の視聴に耐えうるエンタメ作品としても秀逸だ。
あらすじを、語りたくなってしまうのだが、うまく説明できる気もしないし、ネタバレもよろしくないと思うのでやめておくが、
大人でも観ていて、辛くなるような描写や、犯人のあまりの狡猾さに翻弄され周囲に疑いの目で見られる主人公に観ているこちらがつらくなる。
そして・・・ちょっと気の回る人なら、犯人の想像もついちゃうかもしれないね、ここら辺は、これ以上はやめておこうか。
そして、主人公以上に魅力的なキャラクターがたくさん登場する。
私的には、主人公は子ども時代の方が好きかな。
特筆すべきキャラクターとしては、
主人公の母:藤沼 佐知子-
この母ちゃんは本当に魅力的なお母さんだ。主人公曰く「妖怪」(誉め言葉だな、これは)。この母あっての主人公の人格なんだろう。
優しく、クレバーで芯が強く、子供を信じ、でっかくひろい懐を持つ母ちゃんだ。
表面上は対になるダメ母も登場するので、さらにこの妖怪母ちゃんの良さが引き立つことになる。
序盤の登場シーンで既にそのことが感じ取れたので、この母ちゃんが犯人の毒牙にかかり、あげく一番望まない息子が犯人扱いされるところは、本当にきつかった。
そして、
雛月 加代 -主人公の子供時代の同級生、この物語のキーとなる女の子。
なんでかな、この子は本当にかわいらしい。いや、かわいらしいというよりも愛らしいのかな。
ヤバイ言い方をしてしまうと「愛おしい」という感情に近い。
ちょっと、理由は判らいないけど、そう思った。
あと、メタ発言としては「バカなの?」をあれだけ使い分ける声優さんは素晴らしいと思う。
さらに、子供時代の
ケンヤ -このキャラクターは本当に力強い。
アニメ公式HPでは意味深な記述があるが、何か裏設定でもあるんでしょうか。
物語全体の後半は、子供時代のボリュームが増えることになります。
まるで、どこかの名探偵が頭をよぎったりもしますが、
彼ほどの、せわしなさは無いものの、この物語は本当に良い構成をしていると思いました。
あと・・・
最終話の最後の最後、そう来たか。
いいね、これはいいよ。
すべてを繋げてハッピーエンド、いいね!
「僕だけがいない街」とは、
僕が頑張って眠りについたおかげで、僕が守りたかったすべての人が生き続ける街の事だったんだねぇ。
そして、最後に「僕」もその中に・・・。
いいよ、この作品はいい。
もし、私のように地味な作品だという印象で、観ていない人がいるならば、ぜひ見てほしいと思います。
その価値のある作品、満足感のある作品との評価です。
・・・ところで、実写連ドラと・・・映画もあるそうな。
そちらはどうなんでしょうかw
あ、私はどちらも未試聴なんですが・・・。