「ログ・ホライズン 円卓崩壊(TVアニメ動画)」

総合得点
69.9
感想・評価
200
棚に入れた
1021
ランキング
1687
★★★★☆ 3.4 (200)
物語
3.3
作画
3.3
声優
3.4
音楽
3.3
キャラ
3.4

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

群像劇側面はますます強まり

 原作は未読。
 群像劇スタイルで政治劇的要素が強く、こういった要素は個人的には大好きだったり
するんだけど、群像劇は焦点が絞りにくくなることで話が散漫になったり、政治劇要素が
強くなるとアクション要素が弱くなって地味になりがちだったりと、この手の系統の作品は
爆発的人気は出にくい印象はある。
 3期目である本作は特にそういった特徴が強めな感じで、シリーズ全体を大河物語として
捉えるとそう気にならないが、本作だけを一つの作品として捉えると殊更地味な印象。

 先に「群像劇は話が散漫になりがち・・・」みたいなことを書いたが、群像劇でも
主人公を常に主軸にした構成だとそうでもない印象がある。例えば
ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーを主軸に据えた
「銀河英雄伝説」とか。
 で、本シリーズの主人公であるシロエに関しては最初はともかく話が進むに連れ、主軸からは
外れてきているような印象。これはエルダー・テイルという枠組みでも、アキバという
枠組みでも、ギルド「ログ・ホライズン」という枠組みでもそんな感じ。
 本作でも登場する度合いこそ高いんだけど、前半はレイネシアの、後半はミノリの物語で、
シロエはそれを支える役といった感じだし、中盤のカナミやクラスティを中心とする
エピソードは出番なし。
 初期こそシロエを主人公とするヒロイックファンタジー的色合いがあったが、話が進むにつれ、
エルダー・テイルに転送された人々の去就や、彼らが来たことによる「エルダー・テイル」の
変貌を描いていきたいような内容であるため、本当の意味での主人公はいないのかもしれない。

 前半のアキバ統治府と円卓会議を巡る問題は選挙による決着で、対立する二陣営を描きながら
バトル要素なしと、地味の極みといった印象の展開ではあったが、他の政治劇作品だともっと
陰謀渦巻くドロドロとしたものになるところを正攻法の選挙で蹴りをつけるというやり方は
スポーツものに通じるような潔さがあって、政治劇としては目新しいかも。
 まあ演出的にはあっさり気味で、いささか盛り上がりに欠けた感はあったけど。
 今まで円卓会議のこの世界への関わり合い方に関しては別世界から来たということもあるのか、
あるいはいずれは元の世界へ帰ることを考慮しているのか、どこかお客さん感覚があったが、
本エピソードは周りの状況変化もあるが一歩踏み込んだ印象。

 中盤の中原サーバーを舞台にしたエピソードは外伝、スピンオフ的色合いがかなり強い。
 個人的には良くも悪くも物事をシリアスに捉えがちなシロエとは異なり、能天気感溢れる
カナミというキャラは対称的存在として結構好きなんだけど。

 本シリーズは若手の成長譚がよく描かれるが、本作の後半のアキバの迷宮化のエピソードは
それに該当するもので、特にミノリの成長が著しく感じられた。
 このエピソードは本筋とは別にミノリの恋に決着がついたものにもなっており、加えて
シロエやアカツキの感情の一端が知れるのも興味深い。

 個々のエピソードはそう悪いものではないけど、毛色の異なるエピソードをぶち込んだ
ブツ切れ感は否めず、やはり散漫な印象がある。
 まあ長期的には「Plant hwyaden」との本格的対峙を前にした静的状況なのかな。

 更にテレビ放映時などは3期目で、前期放映時から間隔が空いていたこともあって、
各キャラの状況を忘れていたことが多々で、この辺は1期から一気見しないとダメかも。

2021/06/17
2021/06/19 脱字追加
2023/07/11 追記・修正

投稿 : 2023/07/11
閲覧 : 297
サンキュー:

2

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