レオン博士 さんの感想・評価
4.3
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
生きるための闘いか、死ぬための闘いか。
一期が終わりましたが、おそらく1期は2期以降?を楽しむための準備期間なのだろうという印象だった。
2期が放送される直前になってから一気に視聴するのもいいかもしれません。
一つ一つのパーツは面白いところが多く、力を入れて作られているのがわかる。
ただ、一期のストーリーの範囲内ではそれぞれのパーツがまだまだバラバラで、ようやく話が動き出した、という印象で終わった。
少なくとも手抜き作品ではない。
EDテーマの[Hands Up to the Sky]は、日本語と英語を織り交ぜた歌詞ですが、かなり抽象的かつポエム調でかなり難解な歌詞。
歌詞を何度か読み返しましたがイマイチ何が言いたいのかわからない歌ですね。
とりあえず一期終了で一区切りつきましたが、まだ物語は終わっていないようなので、2期に期待したいですね。
なんかここから面白くなりそうな感じがします。
ここからはネタバレありで感想を。
※終わってみれば面白かったのですが、面白くなるまでがちょっと長かったのでダメ出しが多めです。
{netabare}
1期を見た限りでは、戦地に放り出されたキャラクターの死生観、共和国の腐敗ぶりに苦悩する主人公、差別問題、レギオンの謎、帝国や共和国の実態の謎、それぞれのパーツは面白いがまだお互いにつながってなくて、バラバラになっている状態。
安全なところで指揮をする指揮官と、命の危険のある戦場の距離感と、両者の対比を描いているのだが、一期の範囲だけだと最後までバラバラだったので、まだまだこれからという感じ。おそらくこれから面白くなる作品なんだろうと思う。
シナリオの評価が難しい作品だが、1期時点でのダメなところを挙げると
・主人公が蚊帳の外でお花畑なところ。8話で吹っ切れて物語が動き出し、1期最終話では先につながりそうな動きを見せました。
これらは2期への助走なんでしょうけど、ちょっと助走距離が長いかな。
・キャラクターが死ぬのはいいが、大した掘り下げをしていないキャラが死亡して、たくさん掘り下げたキャラが生き残るので、死んだキャラへの愛着がほぼなく、仲間が死んだ悲壮感があまり感じられないのは勿体ない。
・死亡するシーン、あまりにも短絡的。こういうのを無駄死にと言う。
・後述する数々の無理のある設定。
【設定にかなり無理がある点】
・86の身分をヒトでないとしてから数年しか経過していないのに、市民が完全に86をモノとしてみているのはおかしい。そんな思想統制できるのなら、86のことを隠蔽する必要などないはず。
・86迫害の事実を隠したいようだが、どこの国に対して? 実は帝国が滅んでないのだとしても、あんな兵器生み出した元凶に責められる筋合いはないはず。ここで第三の国に出てこられても後付けな印象にしかならないが。
・86が戦闘放棄しないのは、ブタと同じクズにならないために戦うって言っているが、元々戦うことしか知らないわけでもないのに、その死生観は無理があるよ。どうせいつか限界がきて死ぬことをわかっているのなら、逃げ出して自由に生きたらいい。戦闘放棄すれば共和国に復讐できるわけで、戦う理由などないと思う。
元々はただの人間なのにあまりにも生への執着と死ぬことへの恐れがなさすぎる。
・レギオンのこと全然わかってないのに86を処刑するために戦闘に出していること。あまりに共和国上層部危機感なさすぎでは?86に戦闘任せればいいのはともかく、86が全滅したときの備えくらいは普通するでしょ。敵の正確な数も不明で2年間もの長期間、無人兵器が大量に攻めてくるのに、なんで86が防ぎきれると確信しているのか?他国に86迫害の事実を知られるのを防ぐための隠蔽にしても、それは自分たちの身の安全を確保していることが前提の話では?
・86が戦闘放棄するだけで滅ぶ共和国の脆弱性と共和国市民の自分たちは絶対安全だと思っていることが繋がらない。86がちょっとストライキしただけで簡単に滅ぶんでしょ? 何一つ安心できる要素ないと思う。
・レギオンが脳を取り込むということすら知らないのに、2年で機能停止するということだけピンポイントに知っている違和感。
・レギオンの設計。殺した敵の脳を取り込んで電池切れのリスクを回避し、さらに人格をコピーして指揮官を自動生産するという、人間の手から完全に離れても稼働する仕様。どうみても共和国どころか人類すべてを滅ぼすための兵器に見える。
まとめると、帝国も共和国も、まるで滅亡するために戦争しているように見えるんですよね。
いくら無能でも、いや、無能だからこそ自分たちの身の安全は最優先に考えるはずでは?
これまでのシナリオの展開から考えて、おそらくは共和国上層部は何も知らない愚者なのだろうと思う。
理由は、もし知っていてこのようなことをしているのであれば、何が狙いであってもシナリオ的には最低の部類だからだ。
スピアヘッドも5人生き残ったが、ほかのキャラはほとんど掘り下げもしていないので、ほぼ殺すために生み出されたキャラクターという印象しか残らず、残念だ。
私が予想する今後の展開は、共和国がレギオンによって滅ぼされ、86とレーナが直接会って一緒に戦いながら帝国の生き残り、もしくは抜け殻になった帝国を取り戻そうとするレジスタンス的な組織と接触することになるのではないか?
このシナリオ展開で帝国に属する人間が出てこないわけがない。
{/netabare}