nyaro さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
リアルな兵器だから、命がリアルになる。
なぜ、ガンダムはちゃんと整備・メンテンナンスをするのか、量産型ザクという戦車を人型にしたようなロボットがでてくるのか。
人と人が戦う話です。つまり戦争です。戦争を描く以上は兵器はリアルでなければなりません。なぜか。人の命が散る痛みがリアルでなければならないからです。
怪獣や宇宙人が相手なら、レーザービームで爆発ドッカーンでいいでしょう。でも、兵器に人が乗って、その人には感情も個性もあって、家族もいます。だから、リアルに殺されなければなりません。
これが、ファーストガンダムの最も重要なコンセプトだと思います。
リアルロボット、というのは造形や関節がどうこう、ということではなく、人を殺すための、戦争をするための兵器だ、という点においてリアルでなければなりません。金をかけて何人もの人が、弾を込め、燃料を入れて、修理します。人を殺すために。それが戦争のリアル、です。
いくら機械的にSF的にうまく設定されて、リアリティがあるロボットだとしても、人を殺す兵器でなければ、私はガンダムの精神を引き継げていない、と思います。(こういう主張はあまり聞いた事がないので、独りよがりな意見なのはわかってます)
ガンダムが画期的だったのは、この点においてでしょう。具体的に名前と顔があり今まで会話してきた人間(マチルダ、リュウ、ランバラル、コズン、ミハル…きりがありません)が、戦場に倒れて行く。それでも局地戦の勝敗です。大きな戦争の流れは、ホワイトベースに関係がないところで動いてゆきます。個人の命の重さがあまりに戦争の中では軽い。
ニュータイプについては、世代間の共感性を象徴しているようなところもあるのでしょうが、ララアは良かったと思いますが、少し取って付けた感がありました。Z以降兵器用の超能力者になってしまった感じもありますしね。本来はもう少し違った意味だった気がします。