タック二階堂 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
傑作とはこういうことさ。
詳細は公式でも。
今年のアニメ映画は「シン・エヴァンゲリオン劇場版」で決まりだなと思っていましたが、ネットなどの口コミで高評価な、この作品を観てみることにしました。
いや、驚きました。
観ながら鳥肌が立ち、圧倒され続けました。傑作とは、こういう作品のことをいうのでしょう。
ポンポさんが作中「映画は90分くらいがいい。観客に2時間以上も映画に集中させるのは今の時代にそぐわない」と、まるで3時間超えの「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を皮肉るかのようなセリフを言います。
そして、この映画もきっちり90分(94分ですが)。
その90分が、まったく無駄のない怒涛のような90分。場面の切り替わり演出も、定点で空の流れで移り変わる実写のようなものや、読んでいる脚本のページを捲ることで切り替わるといった凝ったもの。
これ(映画)しかないという新人監督と映画女優未満、そして引退した名俳優やB級映画で大人気の女優など、キャラクターも魅力いっぱい。もちろん、その中心には往年の名監督を祖父に持つ、年齢不詳のロリキャラ・ポンポさん。小原好美さんの凄みを感じる名演技が作品を一段階、高いものにしています。反面、新人女優のナタリーが少し残念な演技だったかなという感じ。
ネタバレを極力省きましたので、とにかく観てくれとしか言えませんが、本当にここ数年ではダントツに面白かった傑作です。ひとつだけ。加隈亜衣さん演じるミスティアが、製作中の映画「マイスター」の、とあるシーンに出ることになるのですが、本人とはわからない特殊メイクで出演するんですね。で、クレジットも入れないでほしいと。
ポンポさんは、やっぱり出たくなかったの?と聞きますが、それに対する答えが、またオシャレで。あれも大好きなシーンです。ぜひ、劇場でご覧くださいw