「BLUE REFLECTION RAY/澪(TVアニメ動画)」

総合得点
58.7
感想・評価
75
棚に入れた
234
ランキング
6539
★★★☆☆ 2.8 (75)
物語
2.7
作画
2.5
声優
3.1
音楽
3.2
キャラ
2.7

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ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.5 作画 : 1.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

話は面白いのに作画が全力で足を引っ張る良作

【紹介】
ゲーム原作だが、ゲーム版とはシナリオが大きく違う。
キャラクターがまず全然違う。
秋に発売予定の新作のキャラクターが一部登場していて、旧作のゲームのキャラは夕月と来夢と有里だけで、どれもメインキャラではない。
登場人物は高校生の少女ばかりで、それぞれが悩みを抱え、その悩みに押しつぶされたり、悩みに向き合って克服したりしながら他の悩める美少女の心を助けようと奮闘する話。
話は面白いのに分かりづらくて作画悪くて敬遠される勿体ない作品。

下でわかりづらい複雑な人物関係について簡単にまとめて解説しています。
もしかしたら間違いはあるかもしれません。
よくわからないことがあったかたは参考になれば幸いです。

【良いところ】
高校生の悩み多き少女達の心の機微をテーマにしており、長々とした説明ではなくキャラクター達の表情や人間関係から視聴者が彼女たちの気持ちを察することが物語を楽しむ鍵となっている。
説明は最小限で、かなり想像で補完が必要になってくるが、ちゃんとキャラクターそれぞれにバックボーンとなる過去と確固たる意思があるので、そこを想像しながら楽しんでもらえればと思います。
そういった繊細なテーマを扱ったところが面白いし革新的だと思う。

ただ作画が酷いのが本当に残念。
これで綺麗な作画だったら私は大絶賛したと思う。


【主要キャラクターの人間関係まとめ】
とにかく人物相関図がわかりづらいのでおおまかにまとめました。
このキャラクターは何でこんなことになってんの?って思ったかたは
視聴後にご覧ください。ネタバレ注意です。

【主人公サイド】
陽桜莉(ひおり)
{netabare}
誰にでも気さくに話しかけられるが、家族のことで悩んでいて親友と呼べる子がいない。
姉がリフレクターでありながら放棄し、母親の失踪を機に心の闇に付け入られてしまった経緯があったため、リフレクターになることを決意
姉の美弦が、フラグメントを奪われた少女が心を失うことを知りつつ奪っていることを知ってショックを受けて一時的に戦えなくなるがお姉ちゃんが大切にしていた思いを守りたいと決意する。
発狂した美弦を救うため、心を捨てた仁菜の心を助けようと手を指し伸ばす。
仁菜を通じて姉の過去を知り、姉が奪う側に回った経緯を知った。
それは、陽桜莉のことを気遣って寮生活を進めた美弦だったが、その親切を姉に嫌われたと勘違いして
暴走してしまった自分のせいだったことを知り、罪の意識から自暴自棄に。
つまり、二人ともお互いのことを思っていたのにすれ違いから二人とも暴走してしまったんですね。
想いを伝えあっていれば良かったのに、伝えないことで些細な誤解から悲劇が生まれてしまった。
そして姉への自責の念から暴走してコモンの扉が完全に開いてしまう。
瑠夏によって暴走から救われ、瑠夏とともに紫乃との最終決戦に臨む。
{/netabare}

瑠夏
{netabare}
人付き合いが苦手なので、第一話では特になんか不愛想で感じ悪いが、登場するメインキャラの中で一番心が安定している。
転校する前の学校でいじめにあっていた。
昔、思いつめていた少女を見つけながらも声をかけずに自殺してしまったという心の傷が元で人間関係に消極的になり、人の気持ちに踏み込めない、
今度こそ助けたいという思いからリフレクターになる。
どんどん話しかけてくれる陽桜莉の存在はとても助かっている。
陽桜莉とともに、少女の心の負の側面も含めて心を救うために戦う。
陽桜莉の親友キャラで活躍自体は多いが、一人だけ話のメインから外れているので微妙に影が薄い。

{/netabare}



{netabare}
元々は心が暴走したところを美弦によって救われて以来バディになった。
美弦とかつてバディを組んでいましたが、その時の記憶はあいまい。
瑠夏達に協力しつつその記憶を取り戻そうと独自に動いている。
美弦がフラグメントを集めて回っている理由を知り、抱き寄せると、失っていた記憶を取り戻す。
その記憶の中で、かつて原種と戦って死亡したこと、その戦いが3日後に訪れることを思い出す。
その3日後にあたる美弦との闘いで、陽桜莉のフラグメントが抜かれそうになったところを庇って代わりにとられてしまう。
長い間眠っていたが、回復して瑠夏達とともに決戦へ。
{/netabare}


{netabare}
兄弟は両親から愛されているけど、都は愛されていなくて、高額なアイテムを買い与えて放置している。愛に飢えた子
都と家族が一緒に映った写真が写真たてと一緒にゴミに捨てられていることを知って自殺しようとした。
フラグメントを奪われそうになるも、助けてくれた瑠夏達に感謝し、協力するようになる。
その後、意見の対立はあるものの、互いの信頼の強さで敵と戦っていく。
{/netabare}

由紀子
{netabare}
学校でなじめず不登校になっていたが、承認欲求を満たすために
ネットのチャットルームで悩み事相談をしていたが、詩の悪だくみによって陥れられ、
結局みんなはシステムとして求めていただけで誰も由紀子のことを見ていないと気づき、
闇落ちしそうになり詩に狙われていたが
詩が退散したことと、都が電話で苦しみを聞いてあげることで心が落ち着いた。
彼女が運営していたサイトは詩に乗っ取られる。
{/netabare}


涼楓
{netabare}
親友の亜未琉がフラグメントを奪われてしまい、それを取り戻そうとしている。
瑠夏と出会い、亜未琉の想いを探しても見つからないのは、
自分のことしか考えてなくて彼女の気持ちを考えようともしていなかったと気づいて暴走して苦しくなり、
瑠夏にフラグメントを奪って欲しいと頼むも、
瑠夏は想いを大事にしてほしいと言ってそれを断った。
しかし、美弦にそそのかされ、瑠夏と対立する
それは、陽桜莉を暴走させてコモンの扉を開くのが狙い。
利用されていただけだと知り、都によって自分の過ちを気づかされ、紫乃が何をしようとしているのかを語る。
{/netabare}

亜未琉
{netabare}
仁菜によってフラグメントは抜かれてしまったが、それでも涼楓のそばを離れようとしない。
気持ちは消えたが、彼女の中には涼楓との思いでが残っていたのでしょう。
その後、涼楓は瑠夏達の味方になったが、彼女は紫乃の手下となり、
紫乃のフラグメントを壊すために涼楓を利用しようとするも失敗する。
{/netabare}


【ここから敵側】


{netabare}
マゾっこウタちゃんというかなりキてるハンドルネームで活動。
かなり歪んだ思想の持主。斬られて感じた痛みが、自分が生きていると実感したといって興奮する危ない子
苦しみこそが生きている証で最大の喜びのため、自分自身の苦しみも、他人の苦しみも同様に彼女にとっては生きる糧というとんでもない怪物。
友情や愛は幻想であり、信じられるものは痛みだけだと思っており、フラグメントを何度も暴走させている。
紫乃の心の闇が見たいと、ついていくようになった。
全編通してとにかく頭のおかしい子で、おそらく紫乃以上にどうしようもない子だが、そのキャラクターの特異性はこの作品の顔と言っても過言ではないでしょう。
主人公よりも黒幕よりもずっと凄い存在感を放ち続けていましたね。
{/netabare}


仁菜
{netabare}
暴力夫と別れてメンヘラになった母親から虐待を受けて育つ。その母親が殺されて、一人ぼっちになる。
望に助けてもらったが、望が仕事に行っている間に闇落ちして帰ってくる。
ショックを受けていたところで美弦と知り合う。
その後、詩とバディを組んで少女のフラグメントを狙っていたが、由紀子を陥れた末に奪おうと独断専行していた様子を見て
恐らくメンヘラだった母親を思い出して嫌悪感が強くなったのでしょう。
メンヘラ女呼ばわりして罵倒した挙句、バディを解消して慕っている美弦と組みたいと思うようになる。
美弦と共鳴して過去を知った後、美弦をめぐって陽桜弦に嫉妬するようになる。
百と戦うが力の差を見せられ消沈。紫乃から思いが消える代わりに強くなる指輪をもらう。
そして深い絶望に落ちたところを紫乃らによりフラグメント回収され、切り捨てられた。
その後、発狂した美弦を助けるために、すべての想いを捨てて指輪をつけた。
実はすべて美弦によって門を開くためだけに利用されていただけ。
想いが壊されそうになったところを陽桜莉によって助けられ、そのお返しなのか、詩たちから陽桜莉を守る。
一連の戦いの後、詩に襲われる陽桜莉を助けにかけつけ、美弦を救うために協力する。
さらに、自分が昔フラグメントを奪った亜未琉と会い、自分が犯した間違いに気づき反省する。
陽桜莉と共鳴して美弦の記憶を見せ、ともに紫乃と戦う。
{/netabare}


美弦(みお)
{netabare}
陽桜莉の姉で、母親の失踪等で心が沈んだところを付け入られ、闇落ち。
百とバディを組んで戦っていたが戦えなくなってしまい関係解消。これが1話冒頭のシーン。
そのあとは仁菜とバディを組む。
実は死に戻りを行っており、ループしている存在で、百とともに原種と戦っていたが、
少女達の思いを救ううちに苦しみや恨みといった負の感情までをも守り、負の感情を蓄積していって救う対象の人が苦しむことになってしまうことに心を痛めていた。
その中には詩や仁菜や紫乃も含まれているが、いずれも救うことができなかった。
そんな迷いを抱えていた中、陽桜莉も暴走しているところを見つけ、
陽桜莉も独りで苦しみを抱えていたことを知ってリフレクターに疑問を持つ。
さらに、暴走させたのは自分が原因だと思ってしまい、このままでは妹の心を守れない。
陽桜莉の心を救うために心を奪って管理しなければならないという思想に染め上げられる。
根本が間違っていたと感じて原種との闘いを途中で投げ出し、
リセットして、フラグメントを奪って回ることになった。
リフレクターは誰も守れない、少女たちを苦しみから解放するためにはフラグメントを抜き取って
コモンに入れて想いを管理して苦しまずに済むようにしてあげるために動いている。
百のフラグメントが砕け散るのを見て発狂する。
紫乃によって陽桜莉の想いが奪われようとしていたところを発狂から立ち直って、
代わりに自分の想いをすべて紫乃に差し出し、心が空っぽになったところで紫乃に洗脳されてしまった。
その後、妹達と対決していくが、紫乃がコモンにたどりつき、すべての少女の想いを管理すると息巻いたところを
隠し持っていた百のフラグメントを使って絶望に陥ったみんなを助ける。
その後、百の見舞いに行き、フラグメントを戻して自分の過ちを詫び、ともに紫乃と戦うことに。
{/netabare}

紫乃
{netabare}
汚い大人達によって少女が苦しみ気持ちが暴走してしまうことが許せない。
すべての少女達からフラグメントを奪い、コモンの扉を開けて少女達の想いを管理することで救おうとした。
冷徹なシステムとして君臨するために邪魔な自分のフラグメントを排除してコモンから少女達の想いを消し去り、管理をはじめた。
そのフラグメントはコモンから出て瑠夏と出会い、共鳴によって紫乃の過去を彼女たちに語る。
彼女がこのような思想に陥ったのは、双子の姉、加乃がいて、聖イネス教なる宗教の狂信者である母は紫乃を宗教のシンボルに祭り上げていた。
この宗教は弱者は害悪だから未来のために犠牲にならなければならないという狂った思想で、
姉の加乃は母によって聖痕といいながら傷をつけられ虐待されていた。
そうこうしているうちに母親は詩と出会い、痛みこそがすべてといった思想を聞いてイラっとして姉の加乃に虐待をさらにするようになる。
姉妹は家出しようとするけど、姉が捕まって引き戻される。
紫乃は信者から崇められ、信者から見せられた本の中には姉の虐待の記録が記された聖痕の軌跡っていうものもあった。
これを見て再び脱走しようとするも、母によりとらえられ、二人とも拘束される。
そして、紫乃には弱い者に同情する気持ちを捨てろと言い、紫乃を神にするため、加乃を生贄にした。
そして死亡した加乃の血を紫乃に飲ませた。
そういった母親に対する憎しみと嫌悪から暴走したところを美弦と出会い、美弦は救おうとして指輪を渡すも母親によって歪められた心はそう簡単に救うことはできず、悪を消し去らないとどうしようもない、リフレクターなど偽善だという彼女の気持ちが変わることはなかった
そんな紫乃のフラグメントは、自分をコモンに持っていって紫乃を助けてほしいと訴えかける。
自分のフラグメントを排除しなければ耐えられないくらい心の葛藤があったと推測できます。根はやさしい子なんでしょうね。
{/netabare}

夕月と来夢
{netabare}
旧作ゲームの仲間キャラ。
アニメではコモンを守る者としてリフレクターと接触したり、紫乃と戦ったりした。
{/netabare}

【作画が特にひどい】
致命的なのはやっぱり作画ですね。
ゲームの公式HPで絵を見てもらえればわかると思いますが、とても同じ世界観の作品とは思えないですね。
原作の絵は岸田メルさんが描いていて非常に繊細な絵を描くかたなので、それと比べると作画の悪さがより際立って見えますね。
ゲームやった人間からすると、この時点で視聴する気がなくなるんですよ。
もうちょっと絵が上手な人に描いてほしかったです。
酷いのは顔だけじゃなくて、バトルシーンも重みがなく非常に単調で迫力ないし、変化に乏しいので、早送りしたくなる。

【シナリオ】
少女達は、子どもから大人に成長する過程で、周りの子との人間関係に悩むようになる。
素の自分を出すと嫌われてしまうのではないかという恐れから自分を偽り、いい子を演じるようになる
そんな自分の心の在り方に悩んで、その気持ちを敵側は抜き取って楽にするんだけど、
楽になった代償に、その思い悩む心を失うってことは、自分が自分でなくなるということ。
そんな不安定な少女達の心にスポットを当てたシナリオ。

シナリオは理解さえできれば実はかなり良いのだが、説明不足なうえにキャラの区別がつきづらいため、とにかくわかりづらい。
描写はされているのですが、描写を見て察しなさいというスタンスが基本で、何が起きているかの説明が少ない
じっくり視聴しないと置いてけぼりになるというなかなか不親切な作品となっている。

だが、こういったわかりづらさも、理解できれば面白い。


【音楽】
後半の主題歌、蒼井エイルさんのアトックがとても良かった。

【惜しい】
惜しい点は、とにかくつかみが悪い点。
作画が悪いうえに、第一話から陰鬱な空気でしかも何が起きているのかよくわからないため
とても視聴しようかって気になれないと思う。

【総評】
とにかく原作の魅力を台無しにする作画が最大の欠点。これに尽きる。
それから説明不足なところ。

投稿 : 2021/09/29
閲覧 : 381
サンキュー:

18

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