でこぽん さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
かっこいいと都合良いとの違い
今度のキリトの旅は、仮想世界 アンダーワールド。そこは人工の魂をもった人たちの住む世界。そこでキリトは数年間(永い睡眠時間も含めると十数年間)生き続けます。
でも、その年月は、現実世界では数週間の出来事です。
アンダーワールドの世界で、キリトはユージオというこの世界の友達とともに、幼馴染アリスを救い出す物語です。アンダーワールドでもアインクラッドでのソードスキル(剣技)が使用できるので、キリトが大活躍します。
但し、残念ながら最後が都合良い展開ばかりとなってしまい、感動できませんでした。
不思議の国のアリスという小説をご存じでしょうか?
私たちの世界とは全く別の不思議な世界でアリスが活躍する話ですが…
その世界をもじって、、アンダーワールドで人工フラクトライト(人工でつくられた魂をもった人たち)の研究計画をアリシゼーション計画と言います。
キリトは現実世界で事件に遭遇し瀕死の重体となり、治療のためにアンダーワールドに転送されました。
私は原作を読んでいるので話についていけたのですが…、
原作を読まない人たちがアニメでの説明だけでついていくことができたのかが疑問です。
この物語も、とある魔術の禁書目録Ⅲのように、視聴者を置き去りにしているような気がします。
物語自体は戦闘シーンが頻繁にあり、視聴者を飽きさせないように作られていますが…、戦闘シーンさえあれば面白いわけではありません。
あまりにも都合よすぎるように物語が進むのは、冷めてしまいます。
第一に、この世界でもキリトは強すぎます。異常なまでに強すぎるので、手に汗握ることがありません。
第二に、この世界では切られたら痛みが伴うとキリト自身が説明したはずなのに、キリトやユージオが切られても根性で我慢しているのか、痛みを全く感じず反撃するところが矛盾しています。実際に切られると、あまりの痛さのために反撃できなくなるはずです。
そして第三に、ユージオが最後は剣に変換されたはずですが、最後の最後で元の姿に戻ったこと。
相当の覚悟をもってユージオは剣になることを選択したはずなのに…、その変換魔法を使ったものもとっくに殺されたはずなのに… 本当に都合よすぎます。
アリシゼーション編は、本来はキリトとユージオとの友情を描いた物語です。
現実世界では対等に話すことができる同世代の男友達がいないキリトにとって、初めてできた友達なのです。
それをもっともっと深く描いていてほしかった…。