イムラ さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
素晴らしい作品
<2021/6/5 初投稿>
原作の漫画は未読。
当時本放送で視聴しました。
いわゆる{netabare}タイムリープ{/netabare}ものにミステリを掛け合わせた作品
{netabare}タイムリープ{/netabare}ものだとすぐ「◯◯のパクリだ」「オリジナリティが」なんて声が上がるものですが、そんな玉ねぎの皮をひたすら剥いて何も無くなってしまうような論争は意味がないと思う派です。
元祖言い出したらH・G・ウェルズまで遡ることになりますし
さて、本作。
まずタイトルが良いですよねえ
「僕だけがいない街」
謎めいていて、意味はなんだろうと考えさせられる。
だけでなく、このタイトルだけでなんとも言えない淋しさやせつなさが込み上がってくる
ぐぐーっと引き込まれるタイトル
そしてタイトルが良い作品は中身が良いことが多い
本作も◯
感想は「素晴らしい」の一言です
ストーリーそのものはそこまでトリッキーなわけでもないと思うんですよ
尖ったところは意外と少ない
でも
・キャラクター造形
・心情の描き方(演出)
・物語の展開
・映像
の全てがしっかりと作り込まれ、互いにしっかり噛み合っている
キャラクターは一人一人が魅力的ですね
悟は極々普通のメンタリティの青年。
普通の青年が自分の{netabare}特殊能力「リバイバル」{/netabare}に振り回される。
その普通さ故に物語冒頭からの振り回され振りが際立つ
。よくできてるなー。
加代はクセのあるキャラですが、だからこそ「なんとか幸せになってほしい」と感情移入してしまう
ずかずかと踏み込んできてあっという間に距離感を詰めてくるアイリの無神経一歩手前の天真爛漫さには自然に好感が湧いてきます
悟ママは憎めないやり手キャラ。こういう母さんはいいですよね
八代先生は不思議な得体の知れなさを少しずつ醸し出す
彼ら彼女らの心理描写を始めとする演出は見事ですし、(シーンごとのテーマが明確という意味で)シンプルなストーリーとマッチし高い相乗効果が得られていると思います。
映像も派手さはなくとも丁寧に描かれているせいで、伝えたいことがしっかり響いてくる
これは本当に良い作品。
原作派の方からはシナリオに改変があったということで不満の声も多少あるようですが、自分は原作読んでないのでアニメで十分満足しました。
観てない方はちょっと勿体無いっすよ