CiRk さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
機械への過剰な依存の否定が副主題?
メガロボクスという、ギアという機械を使ったボクシングが題材の硬派アニメ。
昔八百長試合をしていた主人公の成長物語でもある。
{netabare}
メガロボクスというタイトルなのに、主人公(ジョー)はギアを付けずに公式戦を戦う。
だから、ギアは何のための設定だったの?って突っ込んでる人も多い。
自分も最初はそう思った。
けど、話数を増すうちにそうは思わなくなった。
まず、メガロボクスというスポーツ自体つまらない。
自分の強さじゃなくて、機械の強さで勝敗が決まることも多い。
登場する選手も、自分の腕ではなく、ギアに誇りを持ってる人が多かったりする。
さらに後半になってくると、AIで相手を分析し、正確な位置で攻撃、防御をするなどと言ったとんでもないギアも出てくる。
ほんと、つまらないスポーツだと思った。
だが、作中では「本物」や「偽物」という言葉が多用され、最初はジョーは「偽物」と言われていたが、最後にはこの作品のライバルであるユーリが、ジョーに対して「本物のボクサー」だと認める。
ギアを使わないジョーが本物のボクサーだと。
そして、一体化ギアというギアを使って戦おうとしていたユーリも主人公に感化され、痛みを伴ってまでもギアを取り外す。
試合中ではユーリはギアありのときよりも強く感じると説明される。
自分はここで、この作品は機械に頼りすぎることへの否定したかったんじゃないかなと思った。
正直、典型的な脚本の人そこまで考えてないと思うよかもしれないけど、自分はそう捉えた。
だから、ギアの設定は不要だったとは思わない。
ギアでの実力(機械に頼った実力)は「偽物」だと言いたかったんだと思う。
そして、自分の腕で勝負するジョーこそが「本物」だと。
で、ここまでギアについてだけ書いてきたけど、他はどうなのか、というとまあまあな出来。
序盤に圧倒的な力を見せてきたユーリを最終的には倒すという王道な展開。
各キャラに対するエピソードも悪くない。
特に新垣の話は特に好きだったし、最後のユーリVSジョーの試合はギアなしの熱い戦いで良かったと思う。
ただ、さすがに突っ込みどころも多い。
まず、ギアなんて使ったらけが人が多発するはずなのになんでそんなものが認められてるんだという点。
まあ、治安が悪そうな世界だし、不思議ではないかもしれないけど。
そしてもう一つ、主人公がたった3か月で、以前大敗を喫したユーリに勝利するというなろう系もびっくりのシナリオ。なんで三か月という期間にしたんだと疑問に感じる。
不正出場がばれて脅されるみたいな展開も盛り上がりに欠けるかなぁ。
あと、試合はかなり主人公補正を感じる。
主人公はダウンしても何度も立ち上がるが、主人公が相手をダウンさせるとそのままノックアウトになる。
なんかもう少し工夫をしてほしかったなと思う。
いいところも多いけど、突っ込みどころも多い惜しい作品。
{/netabare}