退会済のユーザー さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
キャラ&EDが秀逸な(+シナリオも良い)プリキュア最高傑作!
シリーズ6作目で、愛苦しい4代目のプリキュア達が活躍する長編アニメです。
本作について特筆すべきことは、放送中から“大友さん”(大きなお友達、つまり本来本シリーズの対象視聴者に想定されていないはずの10代より上の世代の男性視聴者)からの人気が非常に高かったことで、実際私は本作の放送終盤(2010年初めごろ)にアニメとは全然関係ない別のSNSで、そこの主みたいな常連さんが「プリキュア」について事あるごとに褒めちぎるのを見て、非常に奇異な感じを受けたことを覚えています。
もともと初代『ふたりはプリキュア』から女児達とママ層の受けは良かったプリキュアシリーズですが、本作によってようやく(というべきか?)“大友さん”からの人気も獲得して、本当の意味で「国民的アニメシリーズ」(でいいのかな?)に昇格した感があります。
私なりに、その成功要因を分析してみると、
(1)プリキュアキャラが色々と魅力的
『ふたりはプリキュア』シリーズや『プリキュア5』シリーズでは、まだまだコドモコドモした顔立ちと体形だった少女たちが、本作ではいきなりファッション雑誌モデルと見紛うばかりの八頭身美人に。
中学2年でこの体形はないだろう・・・とは思うものの、やはり
いつでもどこでも「幸せゲットだよ!」の元気印主人公・桃園ラブ(キュアピーチ)に加えて、クールビューティーな蒼乃美希(キュアベリー)・おっとり癒し系の山吹祈里(キュアパイン)の三人娘のバランスが最初からなかなか良いのに加えて
(2)追加プリキュアがまさかの・・・
シリーズ初の「光堕ち」キュア(「闇堕ち」の反対で、途中で正義や愛に目覚める敵キャラ)、その名も「キュアパッション」(東せつな)!
・・・って、名前がね、最初から気になってたんだよね。
「せつな」=刹那=切ない???
作中で、きっと一番辛い思いをするキャラなんですね。
そして、晴れてプリキュアになった時の名前が、
キュアパッション!
えーーーそれって、passion=「情熱」ではなくて「受難」ですね!
確かにパッションフルーツという果物もあるんですが(本作のプリキュア名はフルーツ由来)、The Passionで「キリストの受難」で、語源的にはこちらが正解です。
もともとpassionという語は、ゴルゴダの丘で十字架にかけられたキリストの表情には「苦しみの中にも歓喜があった」というアンビバレント(二律背反的)なニュアンスを表現した言葉で、それゆえに「恋の情熱」という意味が派生したのですが、まさに
東せつな=受難のプリキュア(キュアパッション)
ここ、女児向けアニメと思って舐めていたら、やられました。
そして、「光堕ち」するのは彼女だけじゃなくて・・・
(3)敵キャラも根は善人で◎
プリキュア3人娘に敵対する「管理国家ラビリンス」の中ボス3人組(イース・サウラー・ウエスター)のうち、イース(東せつな)は物語中盤でプリキュアになっていち早くラスボス(メビウス)に反旗を翻すのですが、残ったサウラーとウエスターも終盤で自分たちが滅私奉公してきた管理国家ラビリンスのおぞましさを悟って、遅ればせながら「光堕ち」してるのが割とポイント高い!!
というか、この敵中ボス達って、ラスボス(実際はAI)に洗脳されていただけで根は善良な唯の人間だから、プリキュア達を攻撃していても実はいつも間抜けで失敗してばかり、というのが終盤にきて活きてきたのが好印象でした。
・・・ということで
(4)意外にもシナリオも本格派&正統派で◎
シフォンみたいな赤ちゃんキャラも出てきて、当然ながら女児向け作品として企画されているんだけれども、意外にも10代以上も楽しめて「もの思う」ところのある良シナリオでした。
そして最後に・・・そうしたシナリオの良さ以上に本作が「大友さん」に人気が出た最大の要因として
(5)サブヒロインの一人(山吹祈里・愛称“ブッキー”=キュアパイン)が癒し担当としてもネタキャラとしても秀逸!
ここは実際に視聴して確かめてください!
あの変身シーンとEDは本当に癖になる!!!!!!
・・・ということで、プリキュアシリーズ未体験の方にも自信をもってお薦めします!!!!