テナ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
Je t'attends sur scène!
劇場版ですね。
基本的に、しっかりオーディション(バトル)は描かれて居ました。
途中、字幕で表記されている部分があり物語の展開の切り替わりが、わかりやすく描かれて居る点も高評価。
アニメからすると当然ながらカットシーンばかりです。
1クール分を約2時間くらいに纏めてあるので当然ですが、この劇場版に関してはアニメを見てなくても、大まかな物語はしっかり描かれておりアニメを未視聴の方にも解る内容かな?と思います。
新カットを入れたアニメの総集編ですが、劇場版を見て気になったらアニメで見るのもありかと思います。
この劇場版は2021年6月に公開予定とされる劇場版の為に制作された作品なので物語自体はこちらの劇場版を見て、続劇である劇場版を見る事をオススメします。
さて、少し物語について触れていきたいと思います。
大場なな……彼女は物語のキーである人物です。
彼女は幸せだった時間を繰り返している少女。
でも、そんな時間が、ある日狂い始める。
カレンのオーディションの乱入とヒカリの転校……
彼女の願いは、仲間と作り上げた第99回スタァライトを繰り返す事……それがある日少し変わって行く
彼女は言う「成長する事も大人になることもない。自分を追い込む苦しみ、新しい物に挑む辛さ、傷ついて道を諦める悲しさから皆を守ってあげる」
彼女は優しいですね……
自分を含めた大切な人達が傷つかない様にって……
本当に、その時間は彼女にとって幸せな時間だった。
そしてスタァライトの敗者への仕打ちが解るから出来る選択。
自分が仲間がキラメキを失わないでいられる優しい選択。
繰り返せば先は来ない……未来が来なくとも今の幸せは続く永遠に。
全員がキラメキ続ける時間
でも、そんな彼女は1番臆病だとも思いました。
確かに人生は幸せな事ばかりではない……もしかしたら長い生涯の中では、悲しみや苦しみの方が多いかもしれないし、前に進む事は怖い、今の幸せが、永遠に続く方が幸せで居られるのかもしれない。
大切な仲間がキラメキを失う恐怖はあっても、その先でキラメキを取り戻す事も出来たかもしれないのにとも考えました。
でも、彼女はカレンとヒカリに負ける。
理由は明確だった。
カレン「舞台少女は日々進化中、同じ私達も同じ舞台もない、どんな舞台も1度きり、その一瞬で燃え尽きるから愛おしくて掛け替えなくて価値があるの!一瞬で燃え上がるから舞台少女は皆、舞台に経つ度に新しく生まれ変わるの」
カレンには夢と約束がある。
ヒカリと2人でトップスターになる。
確かに幸せな時間は続いて欲しいけど、それが続くと幸せは日常になります。
当たり前になると、ナナの様に達成感を得られなくなる……
最初の舞台が眩しかったのは、1度しかない時間を全員が全力で演じたから。
幸せな時間から1歩を踏み出すのは凄く勇気が必要です。
足は重いし、幸せな時間であった分、次へ進むのが怖くて……
でも、立ち止まると未来の可能性を全て潰す結果にしかならない。
カレンとヒカリの夢は未来にある。
その先にあるのは悲劇かもしれない……でも、未来へ進まないと叶わない夢だから未来へ歩き続ける。
未来へ踏み出した者と現在に歩みを止めてしまった者
ここが2人のオーディション結果をわけた気がします。
最終オーディション。
カレン&ヒカリvsマヤ&クロディーナ
夢と約束を果たそうとする者vsライバルであり互いを認め合える者。
このオーディションの挿入歌が凄くカッコイイですね(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)
曲にキャラの動きが合っていました⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
結果、カレンvsヒカリが勝つのですが、まさかの本当の最終オーディションである悲劇が開幕する……これは不意打ちを仕掛けた優しい一撃を放ったヒカリの勝利……
このオーディションが悲劇で終わる事を知っているヒカリの優しい一撃と涙の「さよなら」
それ以降、ヒカリは消息不明になる。
カレンはヒカリを探すのですが……見つからず……
ヒカリはカレンのキラメキを失わないで欲しいと思い選んだ悲劇の選択……でも、カレンはキラメキを失ってしまう……
何故ならカレンは1人で輝きたいのではなく2人で輝きたいのだから当然です。
2人で輝きたかったのに1人で輝く事に、どれだけの意味があると言うのでしょうか……
ヒカリが居ないとカレンのキラメキは無くなる……カレンの為にって優しい犠牲てすが……それすら叶わず結果キラメキを失うカレン。
ヒカリの想いが届かないのも悲劇です。
彼女達の演劇、スタァライトは離れ離れになる悲劇の物語……
不意に、カレンはスタァライトを訳していく……
そこで、気づく……
スタァライトは他国の物語で略す中で物語は脚本や演出の違いでカットされていた部分がある……ヒカリの居場所……彼女は塔に幽閉されていたのだ……
ヒカリが選んだ運命の舞台
ヒカリは大切な約束も大切な人の名前も失っていた……
1人の少女が両手で抱えられる小さな星を高く積み上げては崩される。
永遠に積み上げては崩される、繰り返す。
他人のキラメキを肩代わりした死せる舞台少女……それが彼女の選んだ残酷で優しくて悲しい選択。
スタァライトの仲間達がキラメキを失わないで済んでいるのは、彼女がそれを背負ったから……夜空に輝く1番星になろうとしても地上に叩きつけられる……永遠に輝けない星
そうと解って居ても、積み上げなければいけない。
ヒカリの手はボロボロになっていました……それでも……積み上げる事をやめられない……悲劇の物語。
でも、悲劇で終わる物語は本当に悲劇で終わるのでしょうか?
私は、どの作品のキャラにも命がある気がします。
作者が、その先を書いてないだけでキャラ達は本の物語が終わっても作中で生きている。
悲劇までしか描かれていなくても、その先では幸せを手にしてるかもしれない。
カレンが選んだのは、そんな道。
スタァライトは別れで終わる悲劇だ……
でも、それはスタァライトが終わっただけ……悲劇が嫌なら抗えばいい「私達のスタァライト」はこれからなのだから!
その先の物語を作り出せばいい。
カレンがヒカリを救い出す物語を!
幽閉されたクレール(ひかり)をフローラ(カレン)が救い出す物語!!
オリジナル演劇の始まり。
「舞台で待っている」
(レビューのタイトルはこのセリフのフランス語版で作中で使われた言葉)
さぁ、仲間達に背中を押されて、ひかりを救出する為にステージを駆け上がれ!
ただ、この舞台はヒカリを救い出して終わる様な幸せだけの結末では終わりません。
最後に恐ろしい、どんでん返しが待っています。
それが、次の劇場版へ繋がる布石なのですが…………
さて、簡単にストーリーも追ってみました。
演出が、少女革命ウテナに近い部分がありますね。
結構、こう言う演出好きです(*´˘`*)ニコッ
残念ながら、次の劇場版の公開日が2021年6月に延期になってしまいました。
初日に見に行く為にお仕事を休みにしていたのですが仕方ないですよね。
世の中が大変な時期ですからね……
とまぁ、作品のラストは次の劇場版に期待を持たせてくれる終わり方になってます。
ナナとキリンのシーン、2つの赤い星、ヒカリの最後の言葉、電車の走る音。
何かのヒントになっているのでしょうか?
見るのが、楽しみですね(ㅅ´ ˘ `)
こちらの劇場版は何度も言いますが、アニメの新編総集編です。
私 再生産です!
ですが、劇場版でも楽しめます。
アニメなら、もっと深く楽しめます。
新規さんとかだと、映画を見て大まかなストーリーを知って好きなキャラとか出来たり深く気になる事が有ればアニメも是非に。
そんな仕上がりになってる気がします。
では、あの言葉で私のオーディション(レビュー)を〆たいと思います。
「ポジション ゼロ!」