nyaro さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
オチは誰でもわかります。だから、いいんです。
オチを見るために見るアニメではないです。そんなことは1話で誰でもわかります。正直、観覧車に向かうところで終わってもいいくらいです。オチが読めるアニメなんて、いくらでもあります。
次々アンドロイドが破たんしてゆくわけです。何をしても。なんとかならないのか、ひょっとしたら…しかし、それがかなわない絶望、苦しみ。その過程、時間経過が重要だと思います。主人公に感情移入してもよし、物語の傍観者でもよし、そして、ヒロインの気持ちになるもよし。
{netabare} 結果論だけみると「平凡」な作品でも、ヒロインのかわいらしさが、愛情が、苦悩する経過が、そして、人の心…かどうかわかりませんが、何かを持ったわけです。そして諦めと、幸せを知って消えていったヒロインの気持ち。最後は心が通って良かったな。でも、悲しい、悲しすぎる別れ。
告白されてから最後の時間までヒロインが何を考えているのだろう、最後に日常を過ごした2人はどういう気持ちだったんだろう、と想像できない、何も思えないなら、時間の無駄です。
でも、その気持ちを想像し、何年かたってこうやって思い出すだけでも切なくなれるなら、見てよかった時間、になるんだと思います。{/netabare}
実は私、見返したこと、ありません。2回見るには辛すぎます。場面場面を思い出すだけです。それでも泣いてしまいます。
オチがああだったから、批判されるのもわかります。だって、なんとかしたかったですよね。アイラちゃん。
最後に記憶の移植という手もありますが、これは記憶のコピー先は同一人物か、問題もありますので、必ずしも解決ではありません。(詳しくは確かSAOのアリシゼーションの冒頭で分かりやすく説明しています。SFの大問題です)。
追記します、われわれは記憶のコピーという場合、カットアンドペーストを想像します。つまり、記憶が移植できるようなイメージです。ですが、実際の操作はコピーアンドペーストのあとオリジナルを消すという操作です。
コピーすることで、ある段階で2人同じ記憶を持つアンドロイドが生まれます。そして、元のアンドロイドが死ねば、残った人の側から見れば、まるで継続した人格と記憶を持つ元のアンドロイドがいるように感じるわけですが、実際は、元のアンドロイドは死んでいるわけで、この死んだアンドロイドの悲しみや人格の喪失といった問題は何も解決していません。
なにより、記憶の移植ができるなら、この物語は成立しないので、考える必要がなさそうです。