颯沙 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
原作ヴァイオレット・エヴァーガーデンは上下巻の短編小説がもとになっています。
アニメは1~3話でヴァイオレットが自動手記人形(通称ドール)になった経緯の話がありますが、原作ではそこの描写は無く、ドールとなった後の話からスタートし、クライマックスの大陸横断蒸気機関車事件でアニメではディートフリートがヴァイオレットを助けましたが、原作ではギルベルトがヴァイオレットを助けそのままハッピーエンドとなります。
この劇場版はアニメ版を原作のエンドに戻すための物語の位置になるように感じます。
このお話はすでにヴァイオレットが居なくなった世界から始まります。
単純に昔話ということです。
その昔話のストーリーを追うのがデイジー・マグノリア。
アニメ版10話の50枚の手紙を受け取るアン・マグノリアの孫になります。
アンのお葬式でヴァイオレットに興味を持ったデイジーがヴァイオレットの足取りをたどる。いわゆる聖地巡りのようなことをします。
この映画は3つのストーリーが入っており
1つは上記のデイジーのお話。
2つ目が不治の病の少年ユリスのお話。
病気のユリスが自分の病気はもう治らないとうすうす気づいており、ヴァイオレットに家族と友人に宛てた手紙の代筆を頼みます。
3つ目が物語の中心であるヴァイオレットとギルベルトのお話。
1つが終わると次の話と言うのではなく、この3つをうまく絡めて物語は進んでいきます。
一見するとユリスの話は何のためにあるのか?
ユリスの話の肝は「電話」だと思います。
もともと「思いを伝える為」の「手紙」だったものが、「電話」という直接声を届けられる機械の登場によって「手紙」の価値が無くなっていく=ドールの存在意義も無くなる。
ですので、ヴァイオレットの同僚(先輩)のアイリスは電話を毛嫌いしていますが、最終的には「ムカつく機械も良いところがある」と受け入れる姿勢を見せています。
ミスチルのHEROと言う曲に「ダメな映画を盛り上げるために 簡単に命が捨てられていく」というくだりがあります。
正直、私も涙しましたが、ヴァイオレット・エヴァーガーデンだからではなく、純粋にお涙頂戴物語だったからです。
本編でも多くの人が亡くなってきているので、らしいと言えば、らしいのかもしれません。
ヴァイオレットがギルベルトに会いにエカルテ島へ行くきっかけとなった、1枚の手紙。。。
ここの持っていきかたが少し強引です。
ギルベルトはヴァイオレットをかばった際に右腕を失っています。
つまり左で文字を書いているのですが、以前の筆跡と同じ。
ギルベルトは右でも左でも全く同じ筆跡で書けるってことなんでしょうか?
それとももともと左利きだったのでしょうか?
個人的に一番感動した場面は、開始10分ほどの
アニメの10話の回想シーンです。
最初に感情のクライマックスが来てしまったので、あとは穏やかに見ることできました。