でこぽん さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
一度は見たいアニメだが、もう一度見ようとは思わない
サラリーマンが異世界で女の赤ちゃんとして生まれ変わり、幼くして戦場で活躍する物語です。
この物語では戦争の残酷さや人間の愚かさが、しっかりと描かれています。
しかし、愛情や友情、心の感動は描かれていません。
戦場で相手を叩きのめすことに喜びを感じられる方が見るアニメだと思います。
主人公は日本のサラリーマン。あまりにも合理的に生きており、出世街道を驀進中でした。
しかし、主人公は弱者をいたわる心がありません。そのためリストラした社員から恨まれて殺されます。
死の直前に神から信仰心がないことを咎められ、信仰心を持つように戦乱の異世界でターニャ・デグレチャフとして生まれ変わります。
この世界では魔力を持つものは優遇されていました。
ターニャは孤児ですが、魔力が強いので幼くして軍に入隊します。
そしてターニャは信仰心を持つことなく、強大な魔力で幾多の敵を情け容赦なく倒してゆきます。
ターニャは姿かたちは幼い少女ですが、心は乾ききった合理主義者です。
もちろん信仰心の欠片もありません。
人はターニャを『幼女の皮をかぶった悪魔』と呼びます。
ターニャがどんどん出世していくので、面白いことは面白いのですが…
ターニャの魔力があまりにも強すぎるので、ハラハラ感は全くありません。
それに、私が期待する愛情、友情などは皆無のため、感動がありません。
戦争なので先に殺さなければ殺される。将来の反撃をさせないために幼い子供でも殺す。確かにその通りです。
だから血も涙もなく相手を殺すのが兵士としての正しい戦い方なのでしょう。
だから、もう一度見ようという気になれないアニメでした。
同じ戦場でも、豊臣秀吉が木下藤吉郎として草履取りの仕事から少しずつ出世していくときは、
『春風や藤吉郎のいるところ』と詠われたように、心の優しさや温かさが見られます。
木下藤吉郎は、敵からも信頼された人でした。
それが見られないのがこのアニメの残念なところです。