101匹足利尊氏 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
私に破滅フラグが!?……まずは畑を耕しますw
幼少期、あるキッカケで、自らが現実世界から魔法学園物の乙女ゲームの、
どのルートを辿っても破滅する運命にある
悪役令嬢キャラに転生したと知った主人公が、
フラグ回避のために策を巡らせる同名ライトノベル(未読)のアニメ化作品。
【物語 4.0点】
破滅だの、悪役令嬢だの、おどろおどろしいワードが踊るが、
作風は明るさが先に立つ、お手軽風味。
勿論、破滅回避の重大局面ではシリアスにもなるが、
基本的には肩の力を抜いて楽しめる低ストレスアニメ。
主人公・カタリナの中では、
頻繁にフラグ対策の脳内会議が開催されますが、
重大イベントまでは数ヶ月単位の猶予があるためか、
{netabare}夏休みだから会議も休んで息抜きしようよ~{/netabare}などとダラけたりして緊張感は少なめw
で、打ち出された対策も、{netabare}攻略対象のイケメンが苦手な
ヘビのオモチャの製造&投擲訓練によるルート進行阻止演習。
カタリナの低レベルな土属性魔法向上の為と始めた畑仕事。
(魔力向上効果は怪しい?と悟ってからは、
破滅して国外追放になっても自給自足する予行演習などと大義すり替えw){/netabare}
などユルユルで破滅より先に視聴者が破顔する平和的な内容w
で、緩んでダレるか……と思った所で適度に展開があったり、
カタリナ転生前のエピソードが絡んで来たりと興味を途切れさせない、
など構成も中々のバランスで飽きさせません。
【作画 3.5点】
アニメーション制作・SILVER LINK.
舞台となる魔法学校など、背景が宮廷ファンタジー風の優雅な世界を確立。
そこにイケメン、美少女、悪役顔ほか多彩なカタリナの顔芸などを置いた上で、
花や光が舞い踊る演出に、魔法エフェクト、
撮影も一体となって、明るさを強調し、夢の乙女ゲーの世界を再現♪
画面が余りゴチャゴチャし過ぎず見易いのが、視聴促進に寄与している。
ただ流石に、物語の起点となったカタリナが
{netabare}幼少期負った額の傷がただのバッテン{/netabare}なのは、
シンプル過ぎて苦笑しましたがw
【キャラ 4.0点】
"悪役令嬢”カタリナ。
ゲーム設定とは異なる陽気な性格で破滅回避を試みる主人公。
メインヒロイン役の恋愛フラグ対策には熱心で、
カタリナには、イケメン攻略対象や百合も含めて
多くの好意が寄せられる逆ハーレム状態なのに、
当人は{netabare}本の世界の中でもお菓子の家を貪る{/netabare}など花より団子な鈍感ぶりw
まぁ、このユルさこそが、
並の人間なら発狂しかねない境遇でも自我を保てる秘訣なのでしょうか?
ただ、ここまで恋愛に無頓着なカタリナの転生前の乙女が、
どんな動機、角度からイケメンとの恋愛をシミュレーションするゲームに
ハマって行ったのかは気にはなりますが。
攻略対象のイケメンたち四人。
実際の乙女ゲー何かでは各ルート途上で人物を掘り下げる過程で
遡ると思われる幼少期のエピソードを、
序盤でまとめてやることで、キャラの土台が安定。
時系列前後の撤去も、視聴し易さにつながっている。
【声優 4.0点】
カタリナ役の内田 真礼さん。幼少期から、脳内会議の"5人”まで演じ分ける器用さと、
トラブルに対して深刻さを感じさせないリアクションボイスで良い意味で作品を軽量化。
時々やらかしちゃったカタリナの悲鳴で幕引きになる回がありますが、
(※概ね、大局には影響しないしょーもない理由w)
叫び声で、今日も楽しかった♪また見よう♪と思わせるのはお見事w
イケメン役の男性声優陣は、
蒼井 翔太さん、柿原 徹也さん、鈴木 達央さん、松岡 禎丞さんと、
乙女ゲーならヒット間違いなしの?豪華布陣。
大人しい松岡さんのイケボも良い物です。
そのイケメンたちの幼少期役も、
瀬戸 麻沙美さん、雨宮 天さん、田村 睦心さん、M・A・Oさんと、
こちらもギャルゲーならヒット間違いなしの?布陣で、
過去からキャラを積み上げるとの意志がキャスト面でも窺える。
ゲームのメインヒロイン・マリア・キャンベル役には早見 沙織さんで王道驀進♪
ヒロイン排除による破滅フラグ回避など考える気力すら起こさせませんw
最近のシリアスな質アニメ何かでは、
声が繊細過ぎて聴き取れず音量を上げることも多々ありますがw
本作は音響もハキハキしていて聴き易かったです。
【音楽 4.0点】
劇伴は多数の作曲家による提供。
ゲーム音楽風の構成も交えて、フルート、バイオリンなどが楽しげに弾んで、
破滅に向かうストレスを緩和♪
あと、ピアノを弾くイケメンは男から見てもロマンチックです♪
OP主題歌はangela「乙女のルートはひとつじゃない!」
ベートーヴェンな前奏に続いて朗らかに響くatsukoのビブラートが
作品にマッチする意外性♪
ED主題歌は蒼井 翔太さんの「BAD END」
破滅の運命に真面目に立ち向かうバンド風味で、
カタリナ脳内会議もようやく引き締まるw
それにしても彼のハイトーンボイスは美しくて、
最初、聴いた時は一瞬、女声と思った程。
【感想】
とにかく見易いアニメで、スルスルと消化して、いつの間にか完走した感じでした。
実写テイストのリアル志向とは、また違うベクトルの良作。
アニメの進化の方向性についても考えさせられた作品でした。