STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえずの簡単な感想
原作は未読。
「ぼっち」だったり、「コミュ障」だったり、要するに主人公が孤立した状態から始まる
学園ものは、わき役と絡んでいかないことにはストーリーが成り立たないため、結果として
俗にいうリア充的状況になっているものが多いが、本作は結果論ではなく、意図して、それも
計画的にリア充を目指すという構造が面白いところ。
そのためストーリーの基本構造は日南 葵が先生、友崎 文也が生徒のリア充講座のような形で
進んでいくが、その教えが精神論的なものが主体かと思いきや、結構具体的なものだったことに
驚いた。
そういう点では再現ドラマのあるハウツーものを観ているような気分も。
まあ、現実はこう都合良くはいかないだろうとは思うけど。
友崎のリア充への道自体は順調に進んでいくが、教えの中での日南の考え方に「おや?」と
思うような部分がちょいちょい出てくるようになる。
友崎もこの辺は納得がいかなかったようで、終盤ではそれまで教えられるだけだった友崎が
意見を違えることになるが、この辺は視聴者が感じていたことを友崎が代弁しているようで、
これをクライマックスに持ってくるのはなかなか良い構成といった印象。
なぜ日南がこういう思考をするようになったかについては触れられないままだったし、今後の
展開も分らないが、本作は友崎の成長譚でありつつ、アニメ化部分外も含めたロングスパンでは
「日南の成長譚でもあるのかな?」という感が。
作中では日南の考え方に友崎が異を唱えたものの、メタ的には「リア充は良いもの。それを
目指さないのは逃げ」的な空気感があり、その辺の違和感は最後まで拭えなかった。
私的にはリア充と呼べそうな状況に身を置いた時期もあったが、その時もそれを
特別良いものとは思わなったし、周りにも別の価値観を見出して、敢えてリア充的状況から
抜け出すような人が何人もいただけに余計にそう感じてしまう。
ヒロインのキャラデザインが割と好みだったが、作中世界では一番人気の日南が個人的には
(外面だけとしても)、一番下位でしたw。
2021/05/19