nyaro さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
残念ながら原作を読んでいました。記憶を消して見たかった。
ネタバレを描かないとこの話の凄さが言えないのが辛いですね。ネタバレレビューですが、もし視聴前の確認ならレビューは後回しにしたほうがいいです。
以下、ネタバレのレビューです。
{netabare} 「一人、気が付かないうちに教室に人が増えているとき、いる人をいない人として扱わないと死者がでる」というストーリーは荒唐無稽ですが、ホラーの前提ですのでまったく気になりません。原作者が有名な推理作家なので、このホラー要素以外は、ストーリー展開は筋が通って、謎解きになっています。
推理小説でいう「叙述トリック(作中の語りや文章で仕掛けられるトリック・ミスリード)」の要素を取り入れていますが、普通、小説だから成り立つ、つまり文字だけだから成り立つ種類のトリックを映像化したのは、本当にすごいと思います。
キャラデザも映像もホラー的な雰囲気がよく出ています。人形館、ヒロインの双子設定、病院、なぜか携帯に入る雑音。ゾクゾクしてきます。
結果的に驚きの構造は、犯人?である三神怜子の描き方です。映画「シックスセンス」ですね。まあ、あれのオマージュと言えなくはないですが、換骨奪胎して素晴らしい作品に仕上げています。
三神=怜子=死者=一人増えている人ということが謎解きになっています。
この世にいない死んだはずの怜子が主人公と話をしています。主人公と
同じ家に住んで、主人公と会話をしているのに、おじいちゃん、おばあちゃんとまったく絡んでいないことに見返すと気が付きます。そして、この三神は既に死んでいることが、よく見るといろいろ感じられる演出があります。
カナリアの声「れいちゃん、どうして…」も後から見返すと…「あああ」となります。
1年半まえの事件の時の葬式にからんで、インドの父親と主人公に記憶の改ざんがおこりますが、それが携帯のやり取りで読み取れます。
また、生徒が対象だと思わせておいて、先生だった、しかも副担任というのも驚きポイントでした。机の数が当初ぴったりだったというのもすごい伏線です。
一つだけ不満点は、三神先生でいるときと怜子でいるときの髪の色とかズルイところはありますが。ただ、周囲の灯りの具合でそう見える(蛍光灯と自然光など)風には取れなくはありませんが。
{/netabare}
ホラー好きなら必見、推理好きの人もかなり楽しめます。緻密なストーリー、構成、演出、OPなどどれをとってもかなりのレベルの作品でした。