シボ さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
心を探求するAIが素敵でした!
100年後にAIによって人間が殺される戦争が起きる未来。
その未来を変えるべく100年遡って送られてきたAIマツモトと共に
主人公である史上初の自律人型AI「ヴィヴィ」が
AIにとって大きな転換期となる事件に干渉することで未来を変えようと立ち向かう物語です。
ヴィヴィの与えられた唯一の使命は
「歌でみんなを幸せにすること」
初めてできた人間の友達、霧島モモカのくれたアドバイス
「心を込めて歌う」ことをAIでありながらひたむきに目指しています。
ヴィヴィに挑発的に語り掛けるマツモトとの
やり取りはコミカルで、最初の追っかけっこからして笑っちゃいました!
相川議員を助けた後、立入り出来なかった区画。
目標としていたメインステージに立つヴィヴィの姿。
(空を見上げて感慨にふける姿は夢見る女の子となんら変わらないよな~)
そして
未来の悲劇的な映像を見せられて行動することを決意します。
ここからAIの『歌姫』ヴィヴィの、百年の旅が始まるんです。
(なんだかワクワクするし面白そうなんです~~)
2話ラストでの
霧島モモカの唐突な死の情報を知りえたもののマツモトに未来の改変を
拒まれます。
(突然すぎて最初よくわからなかったので見返しちゃいました)
ラストでのヴィヴィの悲し気な目のアップが綺麗すぎて・・・ヤバいです。
転換期となる事件は2話くらいで描かれていて
その事件をポイントとして分岐するような世界線の描写が
何度となく出てくるので
あ~このポイントで未来が変わっていくんだな~って想像できる演出も
解りやすくて良いですね~。
色々打算的な人間に対して、使命に対して純粋でありつつもひたむきなAIキャラ達はそれぞれ個性的だし好きになっちゃいます!
特に3,4話の宇宙ホテル サンライズ編は切なかった~~><!
落ちていくサンライズが地表と激突する前に燃え尽きさせるため
ホテルに残るエステラ。
「忘れないで、私たちはAIは使命に生きるの」
ヴィヴィと額を寄せ合う仕草が泣けちゃうんです。
そして記憶が遡ったエリザベスが姉と協力してのラストミッション。
最後まで乗客を安心させる使命を果たし続ける姿。
切ない歌声と共に流れるエンディングが心に響くんです。
「悔しいな~」って目を閉じ聴き入るヴィヴィの美しさに感動だよ~。
7話での転換点。
佐伯博士の自殺によってフリーズして、それまでの記憶を無くした
ヴィヴィ。
100年かける旅も駆け足で、すでに60年が過ぎてます。
トップスター歌姫として復活していたディーバはヴィヴィとは雰囲気が
変わっていたけど、根本の優しさや強情なところが変わらなくて
迷いがない行動力は魅力的でマツモトとのやり取りは笑いました。
そんな中、幾度となく登場していた垣谷らしき人と遭遇。
なんどもヴィヴィに助けられつつも全く懲りなくおっさん化していく
垣谷に 何なの~こいつ~~って何度となく思ってましたが
現れたのは若い容姿に???。
色々あったことの説明回でしたけど
垣谷の執念についてはイマイチ伝わらなかったかな~。
アーカイブ内で扉越しにディーバーが消えていくシーンも印象的でした。
この物語の始まりについて明らかになっていく後半は
ちょっと駆け足なところもあって解りずらい感じもあって見直しちゃいました。
アーカイブが全てをコントロールしつつ
自らがもっとも確かな演算を行え、その結果、人類に取って代わる選択をしたことで引き起こされた戦争。
それでいて自ら曲を作り出すということをやってのけたヴィヴィに
この状況を回避する選択を残します。
決してただ闇雲に人類を敵視している
わけではなく、なにが正解かを、答えを求め続けるのがAIってこと
なんでしょうかね~。
そしていよいよ最終話。
どんな風に終わるのか興味深かったんですけど、結果的には凄い良かったです。
最後の戦いへ向かう前のヴィヴィとマツモトとのやり取りは
別れ際にまさかの冗談を言うヴィヴィ、「ありがとう」
マツモトをギュって手に挟んでの
お決まりの額を寄せ合う仕草にこの2人の歩んできた歴史、絆の深さに思わず泣けちゃいました。
(2人ともAIなのに、もはや100年でお互いを深く知り合った素晴らしい
コンビなんですよね~)
心を込めて歌うってことに最初から最後まで悩み続けたヴィヴィ。
(それは演算では導き出せなかった答えで
実際に100年かけて色々な経験、思い出を積み重ねた経験の結果
ようやく得られたヴィヴィの財産そのものが心ってことなのかな!?)
ステージで歌うヴィヴィの姿の美しさって
(この作品の気合の入った瞬間の絵は見入っちゃいますね~~)
そして歌声が流れるなか
最後の力で無言で落下する衛星に体当たりをかますマツモトの姿。
呆然としたし、切ないけど人を世界を救おうと
動かなくなる瞬間まで使命を全うし続ける2人の姿に震えたし
感動しました。
後半の駆け足な展開は賛否あるんでしょうけど、自分的にはワクワク
が上回った作品でした。
なにより、AIっぽくないヴィヴィとマツモトのやり取りが大好きだったし毎回楽しかったです!
最近見かけた記事で
昨年春にリビアの内戦で殺人AIロボット兵器が使用されたのが
確認されたらしいです。
AIなので自ら判断して自動で兵士を追尾して攻撃したとありました。
未来と思っている世界がもう現実に迫っているようでリアルに怖いです。
自分で答えを演算するAI
色々な経験を積み重ね、人にとって優しい
ヴィヴィのような(歌でみんなを幸せにすること)使命に準じる
ようなAIが良いですね~。
追伸
今日TVの録画リストに終わったはずのVivyが新規で保存されてました。
再生してみたらマツモト語りの総集編でした。
今まで観てきた名場面を様々な楽曲で綴る総集編は、この作品を観終わったばかりだけど泣けちゃいました。
使命に準ずることにひたむきなキャラ達の姿がやっぱり素敵なんだな~。
これって配信のほうにも追加されないのかな!?
消去しないように保存版にしなきゃって思った良い総集編でした。