プラ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
オタク矯正プログラム
「オタク」とは、自分の好きなことに熱中するあまり世間からはぐれてしまった者という、少し差別的な意味を含んだ言葉で使われている。主人公の友崎もそんな「オタク」の一人であった。
友崎はアタファミ(スマブラ的なゲーム)で日本一のプレイヤーではあるが、自分のすべてをアタファミというゲームに捧げ、「人生というゲーム」については、最初からプレイを放棄していた。
ある日、日本で二番目に強いプレイヤーとオフ会をすることになった。そこで出会ったのは・・・なんと、成績優秀・眉目秀麗で友だちも多い、まさに人生勝ち組の同級生の日南であった。日南は友崎にアタファミ"だけ"勝てないことが悔しい以上に、人生というゲームを最初からあきらめていることに腹を立て、人生の指南役を買って出る(トンデモ展開!!)。
最初は、容姿や立ち振る舞いを矯正し、そのうえで「課題」を出していく。学校で誰かに話しかけることから始め、会話の方法や友だちの作り方など「スキル」を学んでいく。運良く、いわゆるスクールカースト上位の日南のグループに入れたことで、スキルの実践に困ることはなかった。日に日に友崎の学校生活は一気に明るくなる。
日南の指南の効果もあり、友崎はどんどんと成長していく。クラスメイトの菊池と、仲睦まじい友だち以上恋人未満くらいの関係まで発展する。そんな彼女だからこそ、友崎のちょっとした違和感に気付く。そのことを告げられた友崎は、その違和感の原因が何なのかを自分なりに考える。
考えた結果、スキルに頼っている自分が本当の自分ではない、「仮面をつけた姿」であり、それが菊池が覚えた違和感の原因であった。そのことを日南に伝えると、なんと日南は怒ってしまう。日南は人生というゲームをかなり計画的にプレイしている。学校での会話ですら話題をメモして覚えているほどであり、一時の感情やその場の流れに左右されないようにしている。日南は「本当にやりたいことなんて存在しない」なんていうセリフを吐くほどであり。ただただ人生というゲームをうまくこなすだけというのは、ある意味で「無目的」である。
友崎もここで日南に言い負けないくらいには成長した。日南がアタファミで勝てない原因は、その無目的さであると指摘する。これにはさすがの日南も反論できず・・・日南になくて友崎にあるものを認めざるを得ないことは悔しいが、これも人生というゲームのスパイスであると感じ取ったのか、日南は「日南らしくアタファミで俺に勝ってみろ!!」という友崎からの挑戦状を受けて立つことにした。
二人の協同関係とライバル関係という、新しい戦いが始まるのであった。