でこぽん さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
居心地が良い異性の友達と真剣に叱ってくれる同性の友達
この物語は高校生の恋愛・友情そして家族愛をうたった物語です。
とても心地よく、そして感動します。
この物語のタイトル「とらドラ」は虎とドラゴンの意味です。
主人公の高須 竜児(たかす りゅうじ)とヒロインの逢坂 大河(あいさか たいが)、この二人は竜と虎の関係、お互いに並び合う存在です。
竜児は生まれつき目つきが怖い高校生。背丈の高さも影響して初対面の人は誰もが彼を怖がります。だけど彼は家族の食事を毎日作っている心優しい青年。親しい人だけが彼の優しさを知っています。
大河は143.6cmの小柄で可愛い少女。だけど家庭の事情が影響して、自分の心をうまくコントロールできない。だから、いつも暴れてしまい、みんなから不良のレッテルを貼られています。
そんな二人が同じクラスになると、ある出来事をきっかけに大河は竜児を殴ります。しかし徐々に竜児の優しさを知り、竜児と一緒だと心地よさを感じます。竜児と一緒だと安心するのです。
そして今まで荒廃していた大河の心が穏やかになり、友達も増えます。
物語はこの二人を中心に、大河の親友で女子ソフトボール部キャプテンの櫛枝 実乃梨(くしえだ みのり)、竜児の親友で生徒会副会長の北村 祐作(きたむら ゆうさく)、そして転校して来たファッションモデルの川嶋 亜美(かわしま あみ)が加わり、一波乱も二波乱もある青春が謳歌されます。
大河に限らず高校生のみんなは、若さゆえに気持ちをうまく抑えられません。
だから誰も悪い人はいないのに、女の子同士での殴り合いもあります。でも、それは自分のためではなくて友達のため。
自分のことだと我慢できるけど、友達が困ることだと我慢ができない。
そんな優しい人たちがおりなす青春劇を見てください。
後半は感動シーンがたくさんありますが、特に忘れられないシーンがあります。
大河が親友の実乃梨の幸せのために良かれと思ってした行動。
でもその行動は、大河自身が深く傷つくことを実乃梨は知っています。
親友が深く傷つくのが我慢できないので、
いつも陽気な実乃梨は、なりふり構わず親友の大河の両肩を壁に押さえつけて厳しく𠮟ります。{netabare}
「ふざけんな!
私の幸せは、私がこの手で、私のこの手だけでつかみとるんだ。
私には何が幸せか、私以外の誰にも決めさせねー!」{/netabare}
ここまで真剣に叱ってくれる友達ってなかなかいませんね。
ところであなたは、恋人にするなら以下のどんな人が好みですか?
①ハンサムな男。または美人の女性。
②お金持ちの人。
③何か特技があり、輝いている人
④隣にいて安心する人
私は「④隣にいて安心する人」ですね。(^_^)
エンディングの堀江由衣さんが歌っている「バニラソルト」は、とても心地よい歌でした。