「Vivy -Fluorite Eyeʼs Song-ヴィヴィ フローライトアイズソング(TVアニメ動画)」

総合得点
85.8
感想・評価
779
棚に入れた
2575
ランキング
225
★★★★☆ 4.0 (779)
物語
3.9
作画
4.2
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
3.9

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ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

まるで舞台芸術のように計算された脚本は、ロジックか!? が、しかし・・・。

この作品は、とにかく各話のバランスがすごく良いのです。

長い原作を無理やり1クールに収めて大事なところが抜け落ちたり、
未完の原作を使って中途半端になったり、
ペース配分間違えて、最初はゆっくり、中だるみ、最後は駆け足になったり、
そう言ったことは、一切ありません。
常にトップスピードで、1クール13話を使い切っています。
用意周到に最初から計算しつくして出来た脚本なのだと観ていても分かります。

話ごと、パートごとにちゃんと盛り上げて終わるし、次につなげています。
泣き所も用意してくれています。
すごく計算して作っているのが分かります。
嫌な言い方すれば、それが、透けて見えます。
それでも、その計算にまんまと乗せられてしまう自分がいます。

この作られ感が苦手な人もいるかもしれません。
しかし、自分は、まるで舞台のような作品だと思いました。

舞台は、パートごとにセットの入れ替えがあります。
一度、暗転して、ガラッと場面が変わります
そのパート、パートをつなぎ合わせていって1つの物語を作ります。
しかし、ただつなぎ合わせるだけではダメです。
どのようなパート割りにするか、そして、次のパートにどう繋げるか。
それを、全体から考えないとダメなようです。
つまり、脚本や演出は、限られた時間の中でいかに人を楽しませるか。
それは、一種の方法論であり、論理(ロジック)です。
この作品は、それをきっちりやっています。

この物語は、年代毎にパートがわかれていて余韻も残さずスパッと終わります。
それでも、各パートがつながり、ちゃんと1つの物語を形作っています。
非常によくできた舞台脚本のような物語です。100点です。

しかし、ここまでは、オフィーリアパートまでの話・・・。
その後、ラストに向かって何か物足りません。
それは、アーカイブ、トァクの背景の掘り下げやドラマです。
それがあればヴィヴィを含めしっかりとした背景を持った3つが最後にぶつかる。
あとは祈って見守るしかないと言う構図になったはずです。
結局、良くも悪くもヴィヴィのことは、一緒に旅してきて良くわかっています。
しかし、アーカイブも?、トァクも?のままなのです。

エステラ/エリザベス、グレイス、オフィーリアでは、感動しました。
それは、それまでの背景がしっかり描かれていて感情移入できたからです。
ちゃんとドラマがあったからです。
しかし、アーカイブとトァクの話は、どちらかと言うとただの存在事実のみ。
これでは、感情移入がきませんから、話にも深みが出ません。
エステラ/エリザベスの時にはあんなに泣いたのに、最後は泣けませんでした。

この物語は、最後まで論理(ロジック)に頼りすぎたのかもしれません。
それは、諸刃の剣です。
感動に必要な大切な何かを置き忘れてきたのではないかと思うのです。
最初が良かっただけに、非常に残念でなりません・・・。


そうは言っても、やはり一番大切なのは、「Fluorite Eye's Song」。
アーカイブもトァクもヴィヴィがそこにたどり着くまでの引き立て役です。
そう自分に言い聞かせてみます。
それでも、やっぱり、ちょっと惜しいのですが・・・。

いろいろ書いてしまいましたが、とても面白い作品には違いありません。

投稿 : 2021/10/07
閲覧 : 267
サンキュー:

27

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