nyaro さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
リアルとリアリティは違う。のめり込む面白さ。
このアニメ、転生、超能力、存在Xなど、話としては現実には絶対ありえません。
ですが、軍の規律や学校の様子、戦略・戦術などの描写、電子戦の水準、セリフ回しなどで、まさに「へー、第1次世界大戦のときのドイツ軍ってこんな感じだったんだ」と錯覚してしまいます。実際そういうところは取材している部分もありそうです。
超能力の見せ方が実にうまいですよね。空を飛ぶためのデバイスが国によって形状が違うとか、宝珠の開発実験とか、徴兵・訓練の仕方とか。こういう世界観なら確かにこうなるかもね、という「納得性」がすごいです。
超能力による飛行能力を完全に航空機に置き換えないところも、面白いですよね。普通ならそうしたくなります。でも、そこに差をつけることで、ヒロイン?VS戦闘機みたいな面白い場面を作り出しています。
これらは転生を抜きにしてもまったくリアル(現実)とはかけ離れているのでしょう。そもそも超能力を前提としていますし、幼女が兵役についていますし。でも、その設定の緻密さ、ストーリーの面白さが、違和感を感じさせないリアリティを生んでいます。
このリアリティが「戦争で大活躍する超能力幼女」という物語の面白さの土台といってもよいでしょう。ここがいい加減だと、すぐに白けてしまいそうです。
存在Xという敵の存在も、幼女が戦っているという状況に、妙な納得感を生み出しているのも面白いですよね。話からも浮いてませんし。
「幼女」という単語が非常に高い壁になっていますが、幼女ものを見ているという感覚はすぐになくなりますし、そう誘導されるようアニメは構成も工夫されています。
原作の出来もいいのですが、なんといってもアニメは動き・迫力では圧倒的です。
大きな欠点3つです。
1、デグレチャフの転生前のサラリーマンの思考方法や存在Xとのやり取りが、頭がいいように見えないところですね。まあ、個人的な見解です。
2,造形です。それにしても第2話冒頭に一瞬でてくる小学生女子はちゃんと可愛いのにデグレチャフはなんであんな感じなんですかね。2話の最後とか…チューニングでしょうか。
3,そして、このアニメの最大の欠点は、「幼女もの」を見ている場面を人に見つかるリスクです。「作者…題名…」といいたくなります。万が一の時は、言い訳できる機会があるといいですね。