nyaro さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
テーマというよりも文学でしょうか。旅の果てにあるものは?
旅に出ることでどんな自分を見つけられるか、という自分探しの話かなと思います。最終回がそれを象徴していました。
最終回{netabare} 16人の性格が違うイレイナが登場します。初めはインナースペースというか脳内会議あるいは自分のペルソナの話かと思いましたが、最終回=旅の総括と考えると要するにパラレルワールド的な話だと思います。{/netabare}つまり、本作は旅路における選択と結果の話と言う事でしょう。いろんな自分になっている可能性があったということです。そうそう、最終回のEDのクレジットは多分ギャグなんでしょう。
「キノの旅」との類似性の指摘があり、その通りの部分はあると思いますが、しかし、イレイナの日記の存在と明るい性格でアニメそのものの雰囲気も性格も随分違いますので、軽く面白く見られます。
それと寓意のようなものは、どちらのアニメもあえて表現しないようにしている感じです。それがイレイナの人助けをしないブラック回が批評される原因となったのでしょう。
ただ、旅というテーマから言えば「誰でも助けられるわけではない」通りすがりの旅人という視点は私は良かったと思います。
物語のスタートとして1,2話は面白かったですが、むしろ3,4話のダークな感じが他にはあまりなく面白かったです。だからこそこの作品に何かを感じることができました。先述したとおりその結末に対する責任の所在がはっきりしないところが、テーマ性よりもむしろ文学性を感じました。
3,4,6,8,9話が良かったと思います。このダーク回が人間の愛憎や幸せなどを表現していて見ごたえがありました。
9話に花のクローズアップが出てきます。恐らく花言葉を言いたいのでしょうが、残念ながら花の名前が分かりません。ミソハギかなあ?だとすると「愛の悲しみ・純真な愛情・悲哀・慈悲」だそうです。
葡萄ふみふみの7話後半は妙に印象にのこっていますし、やはり最終回は面白かったと思います。
それ以外では、何が言いたいのかよくわからない回もありましたけど。ニケとのつながりで師匠2人が出てくる回がかえって面白くなかった気もします。それと、サヤが何度も登場するのが、その旅路での一期一会を邪魔するなあと思っています。
ただ、ダークな回だけではやりきれないし、物語通じて登場する「おなじみ」は息抜きになるので、バランスと言う点では良かったのかもしれません。
それにしても百合好きを隠そうともしない話でした。歪み切っているのがいっそ清々しいかもしれません。
キャラデザは、今時のむっちり下半身になれるとちょっと頼りない感じがします。空飛ぶ箒に座っての太もも映えがちょっと物足りなかったかも。ですが、大きい魔女の帽子と髪の毛が印象的ないいキャラデザだったと思います。
作画も奇麗でした。OPのアニメと優しい感じの曲がいつまでも心に残っています。
私、原作を14巻までとスピンオフまで購入したのですが、多分5巻くらいで止まっています。どうも長時間かけて少しずつ読み進めたほうがいいような気がします。
内容は同じのもありますが、原作の方がダークな話が多い気がするのと、不思議なキャラも出てきました。
寓意やアナロジーみたいなテーマ性より、文学のようにとらえるかキャラ萌えを楽しむ方が良い気がします。
とても面白いですが、あまり極端な高評価を付けるような話ではない気がします。
21年5月までに記載した、リアルタイムレビューと追記をゴチャゴチャしている上に内容が乏しいので、23年7月にまとめ再編集しました。
全体的には大きくは変えていませんが、最終回の捉え方をインナースペースのようにとらえていましたが、旅の選択の可能性だろうという読み方に変えています。
以前の評価は3.8でしたが、作画を何を考えたのか2.5にしていたのでこれを4にして、合計で4.1にします。