まつはや さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ダークヒーロー×19世紀ロンドン=中二心をくすぐる
Amazonprimeで視聴。
階級社会を憂うモリアーティ一味が犯罪で世の中を変えるピカレスクロマン。
性根のひん曲がった貴族が出てくる→モリアーティ一味があの手この手でこの世からサヨナラさせる→モリアーティが不敵に笑う、という水戸黄門的なお決まりを土台に、後半はシャーロックホームズやジョン・ワトソンといった耳馴染みのあるキャラクターが絡み出しモリアーティVSシャーロックの構図が形作られて行きます。
とはいえ原典の要素はあくまでさりげないので、シャーロックホームズについての知識がない自分でもおおよそ問題なく11話楽しめました。むしろ原典の知識が無かったからこそ色眼鏡なく視聴できたのかもしれませんが...
しいて言うなら、1クール目はキャラクターの顔見せとこの対立構図作りで終わってしまったので少々物足りなさはありました。後半はホームズ側からの描写が増え、むしろホームズ側が主人公側的な見せ方がなされるので、モリアーティ(特にウィリアム)の心の内だとか、信念みたいなものをもう少し見せて欲しかったですかね。
あと物語の都合と言ったらそれまでかもしれませんが出てくる貴族が皆揃いも揃って嫌な奴、無能な奴として描かれすぎなきらいはあります。ダークヒーローが嫌な奴を粛清するという構図に爽快感はありますが。2クール目以降そこを掘り下げてくれたら更に自分好みになりそうです。
登場する度悪い顔を晒して犯罪を遂行する主人公モリアーティは魅力的なキャラクターでしたし、時代や世相を反映した背景美術も高品質な良作でした。