退会済のユーザー さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 1.0
状態:途中で断念した
タイトルなし
絵とか良い感じでキャラ起ちも良いんだけど、個人的に好きな作風ではなかった。性格の悪い長瀞のという人物の受け皿(サンドバッグ)として、やられ役の従順なメガネが機能するという構造には、ネタが尽きなければずっと話が続けられそうな安定感があった。本作に見られる強度の高い関係性の構造は、安定してイジメが持続する関係性や、長期化したDVの関係性にも当てはまる。例えば、支配的で自己中な長瀞と従順な奴隷体質のメガネの関係性は、さながらアル中の夫(妻)を支える妻(夫)の共依存関係にも重なる。DV関係も同様で、普段は乱暴な夫(妻)が時折見せる気紛れな優しさを以て、夫(妻)は悪い人ではない、或いは、可愛い一面がある、といった具合に、負の側面である暴力的な部分が不問となるよう受け手の認識が上書きされ、結果としてDVの関係性が維持されることとなる。他にも学校や職場などで生じる仲間内でのイジメ(イジリ)にも、これらと似たような関係性が見受けられる。
弄る側はしっかり相手を選定して弄っている。誰でもいいわけではない。弄った際の反応が良くて、決して歯向かってこないと確信が持てる相手を弄る。長瀞がメガネだけを弄くり倒すのはそうした理由に依るものだ、との解釈も可能。もちろん本作では「センパイが好きだから弄くる」という設定なんだろうけど、「思う存分弄くれるから好き」なだけにも見える。メガネを弄る際の長瀞の紅潮した顔面は、イジメを通じて高揚・興奮している人間の表情にも重なる。
長瀞は普段、気弱なメガネに対して、一方的に罵り、挑発し、更には路上から川底へ突き落とすなど事件性のある非道な行為を繰り返す。しかしやられているメガネは「長瀞による自分への酷い仕打ちは、自分が特別扱いされている証なのだ」と半ば肯定的に解釈して、長瀞の野蛮な行為を受け容れる(長瀞の歪んだ欲望を受け止めると表した方が適切かも)。長瀞のような問題を抱えた人間には、物事を都合よく解釈してくれるメガネのような自己評価の低い従順な人間が必要なのかもしれない。そのように考えると、本作における従順なメガネは、支配的で独占欲の強いダブスタ思考の性悪な長瀞女史の受け皿として、社会に貢献していることにもなる。何故なら、長瀞の迷惑行為の矛先がメガネにだけ向いている限り、その他の人々が長瀞からの被害を受けずに済むからだ。そうした意味で、くれぐれも末永くお幸せにといったところか。
とりあえず個人的には彼らの関係性が病的に見えているので、視ていて無邪気にブヒュ、ブフフッ、長瀞さん可愛いなぁ~♪(ボクちゃん大興奮!)とかは全く思えなかったな。
一応3話までは視た。コンテンツとしての完成度は高いし刺さる人には刺さる尖った内容だとは思うが、個人的な趣味には合わなかったので視聴終了。