二足歩行したくない さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
アニメ化するにあたり、ゲームを元にさらに昇華させたような感じがしました
ビジュアルノベルゲーム「Fate/stay night」の遠坂凛・ヒロインルート"Unlimited Blade Works"(UBW)のアニメ化作品。
UBWのアニメ化としては、劇場版 Fateから2回めで、制作会社はスタジオディーンからufotableに変更になっています。
TYPE-MOON作品のアニメをufotableが手掛けたものとしては、空の境界、Fate/Zeroに続いて3つ目で、『TYPE-MOON × ufotable プロジェクト』の第3弾として作られています。
なお、このレビューは、分割2クールとして放映された前編1クールのもので、0話であるプロローグから第12話までの内容について、まずは視聴したので書こうと思います。
ストーリーの導入は"Fate"と同じですが、"Fate"編より序盤は遠坂凛にスポットがあたって語られます。
聖杯戦争に参加するため、サーバントの召喚に成功する「遠坂凛」だったが、呼び出した「アーチャー」クラスのサーバントは、自分がどこの何という英霊かという重要な記憶が抜け落ちていた。
紆余曲折あり、自分がマスターであるということをアーチャーに認めさせた凛は、自分が通う冬木市の学校内に別のマスターがいることに感づく。
夜間、学校で調査を行うが、そこにランサーのサーバントが現れ、戦闘になる。
そこに一人の生徒が現れ、巻き添えに殺されてしまうが、そこに駆けつけた凛が見たその生徒は、凛に縁のある「衛宮士郎」だった。
凛は士郎にできる限りの治癒を施し、一命を取り留めるも、仕留めそこねたことを知ったランサーに再度命を狙われる。
追い込まれた自宅の土倉にて士郎は、「セイバー」クラスのサーバントを召喚してしまったことで、物語が始まります。
いわゆるバトルロワイヤルもので、7組のサーバントとマスターは、最後の一人になるまで戦い、残ったサーバントには"聖杯"という、あらゆる願いを叶える器が与えられます。
UBW編は、ゲームではFate編クリア後でないと解禁されないですが、先にFate編を観ておく必要はなく、本作からでも十分楽しめます。
1クール目でサーバントは揃い、戦いが佳境に入ったところで2クール目に続く終わり方でした。
1クール目で敗退するサーバントは1体のみで、該当サーバントは宝具を使うことも、真名が明かされることもない、不遇の最期です。
原作を知っているのでこの展開は知ってはいましたが、"Fate"、"UBW"に続き序盤敗退するので、アニメ勢には必要なの?みたいに思われそうです。
このサーバントが活躍するのは別のシナリオ(Heaven's Feel編)なので、近年の劇場版でようやく日の目を見た感じですね。
ディーン版に比較すると、細かいところまで丁寧に描かれていると思いました。
ディーン版は原作準拠で、キャラの構図やセリフ等、要所要所で懐かしさを感じましたが、本作はゲームを元にして昇華させようとしているように感じました。
また、"UBW"はキャスター陣営が大暴れする展開で、葛木先生のクールな男前ぶり、器の深さっぷりに磨きがかかっていて、とにかくかっこよかったです。
葛木先生の良さを十分に理解しているスタッフによる葛木先生の魅力あふれる作品になっています。
もはや、本作のメインヒロインは葛木先生と言って過言でないですね。
1クール目を見た感じでは英霊の真名が一体も明かされなかったのが気になるところです。
神話や伝承の薀蓄、宝具の正体が明かされるところは、Fateが伝奇モノらしいポイントと思うので、2クール目に期待したいと思います。