ハニワピンコ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
丁度良いファンタジー作品になろうのテンプレを
転生物の中ではかなり初期に作られた古文書的存在。通称:最終兵器
そんな訳で、なろう界隈では放送前から盛り上がっていたのと、制作のためにスタジオを作ったという話題性が重なり、放送当時は新規なろう枠にも関わらず見ていた人が多かった記憶がある。なんで今更思い出した様に感想を書いた理由は自分でも分からない
世界観はまんまフツーの魔法ファンタジーで、そこで一応転生した主人公が第2の人生を生きていくみたいな話で、普通の魔法ファンタジー作品として面白い
主人公は過去の自分にトラウマを持ちながらも一部は正当化して第2の人生を歩んでおり、本人は「人間は変わる」と言って多少は変化を起こそうとはしているが、あくまで精神は30越えのオッサンであるというスタンスで続いていく
人間の本質は一生(転生しても)変わらないから、多分"ルーデウス(前世の男)"って設定はずっと続くと思う。だから、ハッキリ言ってこの気持ち悪い主人公が受け入れられないのなら今後も見続けることは厳しい
自分は嫌いじゃないが、流石に気持ち悪かったり理解出来ない行動が多々あるけれど、まだ10歳とかだから許せてると思う
13超えてもこうだったら流石に苦しい
この本質の変わらない主人公が主人公ならば、"転生物である意味とは"と考えたくなり、考えた結果、序盤の初めて家の外に出るシーンをとりあえず描きたかったのかと思った
前世でトラウマがある外の世界、その記憶は転生しても消えずに残り続ける。そんな中で外に連れ出して克服させたのがロキシーであり、外に出れなかったルーデウス第一段階の変化と、ロキシーがヒロインレースのスタートダッシュを決めたという意義はある
作品は中盤にターニングポイントが起き、ルイジェルドと出会い、現代人が江戸時代の武士の"切り捨て御免"を目の前で見て理解出来ないのと同じように、価値観の違いに戸惑いながらも一緒に旅をしていくパートは、ルーデウスとエリスは成長を見つつ、世界観を楽しめた
まぁここら辺はハッキリ言って"神様"という要素以外に転生要素は無く、普通のファンタジーで通るくらい転生物としての設定は弱くなっている
1クール目は序章って感じで、出生から修行、そしてヒロイン登場のなろうのテンプレに沿った展開(家族会議は予想外だった)で、そこまで面白いか…?と思いながら見ていたけれど、ターニングポイントから始まる冒険パートにそれぞれのキャラが上手く噛み合って3人の動向を見ているだけでも面白くなっていって、その期待が高まってきたところで2クール目ということになった