EJ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:今観てる
吉田、いいやつだな。
最近江戸市井人情噺の小説で「おけら長屋」ってのにはまっている。
おけら長屋についてはアニメの話と全く関係ないので詳細は割愛するが話の中で生活に困ったあるいは行先のない人を、長屋の空き家に入れちまえばいいと言って本人の意向はそっちのけでよく連れてくる。空きがないときは万松というコンビがどちらかの家に泊まって一つ部屋を開けたりもする。江戸時代にこういうことが当たり前にあったかどうかはわからないのだが、困ってたら嫌味にならない程度におせっかいして助けるのが当たり前でそれが面白い、対価など求めるのは野暮の骨頂という話は好きだ。
翻って現代。
家出少女を泊めて××などという話も聞く。その手のマッチングサイトがあるとかないとか言うことも聞いて暗澹たる気分になった記憶も新しい。
そこでこのアニメ・小説?だ。
最初はまたぞろエロを売りにした糞アニメの歴史がまた1ページくらいに思っていたが、ちょっと調べてみたら何となく違うっぽい。どんな話なんだろうと思って見てみたが意外とよかった。吉田が常識人で好感、いいやつではないか。そうなのだ。吉田が言ってることはよくよく考えるとごくごく普通のことなのである。「無理して偽善ぶってる」と感じてしまうほうが実は糞なのではなかろうか。
原作未読の上、まだ大して視聴してないが作中で吉田が言い放った
「いいか俺が優しいんじゃない、そいつらが糞だったんだ。勘違いするな。」
のセリフにぐっと来た。何となくおけら長屋のバカだが情け深くてお節介な、私の大好きな連中を思い出してこの先も観てみたいと思うようになった。