シャベール大佐 さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人の死について心に傷を持つ14歳の少女たちを描く、オリジナルのファンタジーアニメ
テレビドラマでは多数の話題作を世に出してきた脚本家の野島伸司が原案・脚本を手掛けたオリジナルのファンタジーアニメ。全12話。
内容的には、人の死についてそれぞれ心に傷を持つ、4人の14歳の少女たちが、不思議な「エッグ」の世界で戦うことによって、過去のトラウマを乗り越えていく、みたいな感じでしょうか。いちおう最終回まで放送は終わりましたが、これだけだと物語は正直ちょっと尻切れ蜻蛉のようになっていて、2021年6月に放送予定の特別編というのを観てみないと、なんともいえないところ。ですので、作品としての評価はまだ動く可能性があるのですが、いじめ、恋愛、自殺、親や教師との関係など、現代的かつ普遍的な思春期の問題を題材にして描かれているひとつひとつのエピソードには、それなりにリアリティや重みがあって、毎週ちゃんと面白かったです。全体のストーリーとしても、適度に謎があるので先の展開が気になり、自然と惹き込まれていきました。個人的には、特に、元アイドルの少女・リカを掘り下げた第3話や第7話などが印象に残っています。
作画は非常に綺麗。CloverWorks制作の作品は同時期に3本も放送されていて、どれも水準以上の品質でしたが、そのなかでもこれはずば抜けていました。最近のアニメの作画は、ごく一部にお粗末な作品もありますが、出来が良いものは本当に綺麗で感心しますね。キャラは、アイ、ねいる、リカ、桃恵のメイン4人には、十分な個性や魅力があって良かったです。音楽は、ED曲の「Life is サイダー」が結構好きでした。
最後まで観終わって、とりあえず、ここまでは普通に楽しめました。あとは、特別編の内容次第なわけですが、少なくとも、凡作や駄作というようなレベルに落ちることはないだろうと思っています。