「ペンギン・ハイウェイ(アニメ映画)」

総合得点
75.7
感想・評価
267
棚に入れた
1230
ランキング
780
★★★★☆ 3.8 (267)
物語
3.8
作画
4.2
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.8

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二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ペンギン・ハイウェイを辿ると、その先で海に至ったという物語

森見登美彦さんの小説が原作の劇場版アニメとしては2作目の作品です。
氏の小説といえば、"夜は短し歩けよ乙女"や"四畳半神話大系"のような、男子大学生がひどい目にあいながら必至で恋をしたり、邪魔者に蹴散らされたりするのが印象的ですが、本作はSF・ファンタジー色の強い作風になっていて、森見登美彦さんらしい掛け合いはあるものの難解な雰囲気のある内容となっています。

監督は石田祐康さん。
劇場版長編アニメ作品の監督としては初だそうです。
作品の作り的には、無難といえば無難ですが、あまり特徴が感じられなかったのが残念なところです。
キャラクターの軽快な掛け合い、台詞回しや展開の突飛さは、どちらかというと原作の森見登美彦さん色が出たところですし、キャラクターの動かし方やカメラワーク等々とてもうまいのですが、一方で監督のクセがほとんど感じられませんでした。
監督の主張やクセの強さなんて、単発のアニメ映画の場合、むしろ無いほうが嬉しいという方が多いと思うので、長所というべきところかも知れないですが、もう一つの氏の短編アニメ監督作品「陽なたのアオシグレ」は、そのうち観てみようかなと思います。

主人公は小学四年生の男の子「アオヤマ」くんです。
彼は研究好きの秀才で、冷製で大人びた雰囲気を持っています。
友人の「ウチダ」くんと、近所の川の水源を調べる、"プロジェクト・アマゾン"を行っていましたが、そんなある日、街中に唐突にペンギンが出没する事件が発生します。
彼はペンギンの正体を突き止める"ペンギン・ハイウェイ研究"を行います。
彼には好きな女性がいて、近所の歯科で歯科助手として働いている「お姉さん」がそのあこがれの人なのですが、アオヤマくんの目の前で、お姉さんがは開封した缶コーラをペンギンに変えてみせます。
お姉さんとペンギンの間の関連性を調査するアオヤマくんですが、それ以外にも彼の周囲で色々不可思議な事象が発生する。
それらの事象は関係しているのか、推論と検証を繰り返し答えを導き出すような内容となっています。

"海"と呼ばれる謎の浮いている巨大な水の玉や、四足歩行の謎の生命体、何故か街を離れると形を保てなくなるペンギンなど、不思議な事象が作中にまかれているのですが、それらの謎は作中で十分説明できているといえず、解説が必要な作品だと思います。
普通に観ていても、どういう話かわからないまま終わり、ネット上にも「こうではないか」と持論を展開するサイトはあるのですが、はっきりとした解答は明らかになっていないようです。
そのため、ジリジリした気持ちで見終えることになると思います。

また、森見登美彦さんらしいところはあるのですが、"夜は短し歩けよ乙女"や"四畳半神話大系"をイメージして観始めると、違うと感じると思います。
アジカンが似合うような雰囲気ではないですね。

展開的にも、中間はちょっとダレたところを感じました。
終わり方もスッキリしないですが、ラストだけは、無理に大団円にせず、余韻を残す終わり方なのが良かったと思います。
不思議な誤読感を感じる作品だと思いました。

投稿 : 2021/04/25
閲覧 : 189
サンキュー:

6

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