テナ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
恋と夢の道中
恋愛作品です。
中年店長である近藤さんとアルバイトJKの橘さん。
この2人の恋愛を描いた作品です。
店長は少し頼りなくて、少し抜けている人で従業員からも余り頼りにはされていません。
店長の威厳はありません。
でも、凄く優しくて頑張り屋で一人一人をしっかり見てくれる気配りな一面もあります。
そんな店長を、好きになったのが橘さんです。
でも、年の差があるからでしょうか?
他の従業員や友達に好意がバレても誰も素直に祝福してはくれません。
むしろ驚かれて、どちらかと言うなら否定的な反応が多かった気がします。
それでも、橘さんの店長への気持ちは変わりません。
当然です。
恋って突然ですよね。
私には解らないけど、年の差って周りから受け入れてもらいにくいのかな?
何でなんだろ?アニメやドラマだと物語的にか反対されるイメージあるけどw
この作品に於いて強く反対されてる様なシーンはなく明るめな展開が多い気がします。
少し橘さん、目線に立つと
恋は突然なんです!
好きになったらそれは仕方ないですよ!
相手が誰で、何歳で何をしてようと、息子が居ても、好きになったらなら、どうしようもない!離婚してるならチャンスです!
好きな気持ちは歯止めが効かないのです!
そんな感じかな?
若さゆえの勢いがありました。
次は近藤店長の目線になると。
好意を持って貰えるのは嬉しいけど、やっぱり学生相手だと、からかわれてる感じがするかもしれません。
それに高校生だと子供に見えちゃうかもしれない。
でも、橘さんは良い子なのは解っているけど、相手が学生と言うのは、抵抗はあるかな?
だから、店長の出した「友達」って答えは良かったと思います。
この作品は単なる恋愛だけではありません。
実はこの2人の共通点は「諦め」があります。
店長は「文学小説」
橘さんは「陸上」
店長は学生時代にサークルで小説を書いていたそうです。
でも、その才能は芽吹きませんでした。
親友は本を出して成果も出しているけど……店長は残念ながら……
そうして、夢を諦めかけていたのです。
それでも、また、書いてみようとペンを取り少しずつ書く決意をする。
橘さんも、怪我をして頑張っていた陸上を諦めてしまう。
それでも、親友はずっと信じて待っていてくれた、そうして気付く本当の気持ち。
彼女も走る事にチャレンジする事を決意する。
この作品を見てゴールする大切さを知った気がします。
ゴールって多分沢山の種類があるんだと思います。
夢とか、やりたい事とか、走り出して順位や結果は大切です。
でも、ゴールする事に意味がある……2人はまだ、ゴールまで走りきってはいません。
芽が出なくて諦めた、怪我をして諦めた、道の道中で立ち止まっている。
頑張って走っても結果が出ないかもしれない。
誰からも評価されないかもしれない。
自分が望む結末なんて無いかもしれない。
ゴールまでの道は苦しいだけかもしれない。
それでもゴールをする意味。
もしも、自分が望む結果が出なくて最後までダメだったとしても、ゴールをする。
きっとダメならどちらにしても、涙を流す結果になると思います。
でも、「無理だから諦める」より「やりきったけどダメだった」って方が、私は何か得られるものがある気がします。
結果を出せないゴールなんて意味が無いって思う人もいるかもしれません。
それでも、無理だと自分の限界を決めつけて諦めた涙より、やりきってダメだった涙の方がきっと強くなれる気がする。
作中の2人もそんな気持ちで走り出したのかもしれません。
アニメは最終回が凄くいい所で終わっちゃうけれど、きっと2人なら大丈夫。
そんな気がします。