takumi@ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
あえて等身大以下に描かれたのかもしれない主人公
初めて観た時、話の内容には既視感があったものの、
作画の美しさと音楽の良さで、期待度はかなり大きかった。
{netabare}その人間の劣等感から形成される{/netabare}ヴォイドという武器も、
発想が面白く、荒んだ世相を背景に、裏切りや憎しみ、哀しみが渦巻く学園生活も
ちょっと今までにはないものを少し感じて興味が湧いた。
また、涯というカリスマ性と強いパワーを持った人物や、
アクの強い人間の多いGHQも、描き方としてけっこう面白かった。
なのになのに、何かが残念すぎる。
いろんな歯車が噛み合わなくなって軋んでいった何かを感じる。
OSTは好みだったし、キャラデザも綺麗だった。
だけれど、何かがもったいなくて仕方ない。
しかも最終回が22話という中途半端さ。
あと3話使って置いてけぼりの伏線を回収したら、
もしかしたらなんとかなったのではないかと思うと惜しい。
{netabare}
強くなることにトラウマ的なものを持つ天涯孤独の涯、
ヒーローになり切れない弱さを持ちながら人を集めることのできる集{/netabare}
集と涯の2人を対比させていたのは良かったと思うのだけど、
いろいろ盛り込みすぎちゃったかな?
それに、この2人を繋ぐ存在であるはずのマナの描き方が
あのままでいいんかいっって感じで、ちょっと雑に思えた。
だけど、よくよく考えてみれば、主人公は高校生。
実際にあんなことが起きたら、やっぱり集みたいに怯えたり、
弱気を見せたり、でも時には一発奮起して闘う強さを見せてみたりしつつ、
王になりきろうとしてもどこか戸惑いがあったりって当然で。
観ているこちらは、その地に足の着かない不安定さに、
やきもきしたりもするけれど、案外リアルな感情を描いていた気もする。
そして涯ではなく、集と同じような年齢のダリルと対比させてみれば
そのあたり、すごくわかりやすかったり。
また、いのりの存在は大きかった。
彼女が{netabare} 集を捨てなかったのは、「集がカナシイくらい人だから」と{/netabare}言った言葉も、この作品の
テーマかもねと思ったし、{netabare} 実は血のつながらない親子だった{/netabare}集とはるかの親子らしい絆も、
もう少し深くいろいろ見せて欲しかった。
いろいろと、賛否は分かれそうだけれど、
音楽に関しては、EDやOP以上に戦闘シーンで流れる挿入曲が特に秀逸だった。
観終えて考えてみるに、やはりこの作品は集の成長物語だったのかなと思う。
誰の目にも憧れの存在になるようなヒーローばかりが
ヒーローになるわけじゃないってことが、作者は言いたかったのかもしれない。