EJ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ニッチな部活物
ちはやふるもそうだが、あまりメジャーでないニッチな部活の話には面白いものが多い。はたから見てるだけでは面白さがわからないが登場人物に感情移入しその活動独自の悩みや、葛藤しつつも努力して上達していく様子を観ることで疑似体験することができる。
本作は、筝曲という字面を見てもすぐに何のことかもよくわからないほどにニッチな「お琴」を題材としている。つーか琴の部活とか全国大会とかあったのか。すげーな。dアニで配信始まったので取り合えず見てみるか程度のノリで観始めたが・・・ハマってしまった。
お琴と言ったら正月のテレビ番組で流れるBGMくらいしか聞いたことがなく、いいとこのお嬢さんが習い事で習うようなものとの認識しかなかったが、このアニメで目から鱗が落ちた。
琴良き。原作結構売れてて、読んだ中高生がこの漫画をきっかけに琴始めるなんて話もあるらしいがうなずける。作中オリジナル曲は原作者さんの母や姉が作ったとのことだが、とても良いもので登場人物の心情を想像しながらということもあるが聞いてて涙出た。
題材の目新しさもさることながら、登場人物がみんな前向きで良い。
ちょっと前向きすぎやしませんかね!?・・・と思わないでもないのだが、漫画の中でくらいみんなが前向きでもいいよね。トラウマ引きずってぐちぐちねちねち語られてもうざいだけで興ざめなので。
皆が琴にのめりこむ原動機的なものはこじつけ無理やりな感じでもなく、割と単純な動機ばかりなので違和感も感じない。何より皆がお互いを思いやり、助け合っている様子は見ていて気持ちがよかった。
ライバル校の人物もキャラが立ってていい。彼らにも彼らのストーリーがあり、審査員の言ではないが「みんな全国に行ってほしい」と思わせられた。
灰色の高校時代を送った私にはまぶしくも尊い物語だった。
26話、何度も泣かされながら一気に視聴してしまった。