元アニメーターのオジ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず「終わって良かったね?」
まず最初に断っておかなければならないのは「自分はTVシリーズに関わっていた人間なので、一般的なファンとは評価軸のあり方自体が異なるかも知れない」という点である。
なので、あまり参考にはならない可能性がある事を申し上げておく。
25年をかけた最後のエヴァを観て最初に思った事。
それは「ようやく終わったか」だった。
同時に頭に浮かんだ言葉は「25年かけてこれか?」だ。
正直なところ、「期待以上」でも「期待以下」でも無かった。
確かに絵は綺麗だった。戦闘シーンも良く動いていた。
しかし、それらは「エヴァなら」「庵野氏なら」「カラー作品なら」出来て当然、やって当たり前と言われても仕方ない「最低限の仕事」だ。
しかし、そこからのプラスαがなんとも薄っぺらで、エヴァが最後を迎えたという感慨はあっても、これといった感動が無かったのだ。
どのシーンも「いつかどこかで観た事のある風景」で、まるであちこちの作品から印象深いシーンを借り受けて観客の目をそちらに引き付け、その隙に今まで広げに広げた大風呂敷を畳む事に窮々としている様に見受けられてしまった。
だから「TVシリーズに携わった元アニメーター」として、エヴァの完結を生きている内に目にする事が出来た部分に関しては期待以上と言えるし、大風呂敷を広げた割には予想の範囲内を超える要素が無かった部分に関しては期待以下でしか無かったのだ。
観終わって1日たった今、貞本版エヴァを「エヴァンゲリオンOrigin」としてアニメ化したら一番スッキリしっくりするんじゃないかと思う自分がいる。
同様に考える人は案外多いのではなかろうか?