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退会済のユーザー さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
完璧
みんな大好きソシャゲアニメ。お金かかってるやつ。
成分としては魔法少女+アイドルなのですが、序盤はそれらのお約束から離れて探し物やら球技やら寄り道しまくることで作品の方向性を示してくれます。主人公がユニット結成するのも後半ですし。作品が重視しているのはあくまで『世界』を描く事ですね。
ソシャゲアニメなので登場人物は多いですが、物語は主人公のティアラを擁する『LiGHTs(ライツ)』のメンバー5人を中心に展開していく安心設計。他のキャラ達との交流も個人間ではなくユニット単位で映るシーンが多いので相関も単純で理解も容易。等身や髪型、髪色や制服までも差別化されており、その上ご丁寧に特徴的な口グセまで用意されてるので『キャラがおぼえられないよお』っていう事態に陥ることはなく、ソシャゲアニメといえど気楽に観れる工夫が随所に施されています。
キャラはもとより背景から小物に至るまで作画は丁寧。ライブシーンもカメラはダイナミックにグルグル回るし、振り付けもやたらとポジションスイッチするわりには破綻もなく、各ユニットの魅力が存分に描けていると思います。作曲陣もボカロPから本職アイドルの作曲家まで取り揃えており、楽曲もバラエティに富んでいます。
特筆すべきは楽曲の音質の良さ。一般的なアニメ用楽曲は、多分わざでしょうがすこぶる音質が悪いです。あまり音質を良くしてしまうと現実感を感じて没入感が削がれてしまうからでしょう。アニソンというか○○○ィ○系はアイドルアニメだろうが何だろうが総じてそういう感じなのでそうしているということなのかなと思います。一般的なPOPSっぽくしてしまうのは『アニソン』『キャラソン』を聴きたい層にはイマイチなのかもしれませんが自分は好みでした。ボカロPはともかく、本職の楽曲の音質は一般的な音楽CDと比較しても遜色ない録音品質なので自分には非常に聴きやすかったです。聴きまくってます。
同じソシャゲアニメで言うと『IDOLYPRIDE』はまだいい方ですが『アニソンにしては良い』程度。『アズールレーン』なんかキャラソンCDめちゃくちゃ出してる割りには録音はマジでゴミ。5千円程度の安物ヘッドホンでもわかる劣悪さ。モニターについてるオマケスピーカーで聞けばわかんないかもしれんけどさ。
というかみなさん揃って歌上手いです。知らない方ばかりですが歌唱力重視の招集なのでしょうか。録音がいいのもあってコーラスワークも非常に素晴らしい。アイドルアニメなのにあまりアニメ声を効かせてない歌唱なのでここも好みの別れるところでしょうか。ブリブリアニメ声のいかにもなアニソンを求めると物足りないかもしれません。
あと演出も素敵。
3話/ラヴィへ誕生日プレゼントを忘れてたアシュレイは服を作ってプレゼントすると約束。
4話/一人だけ私服から部屋着に着替えないままソファに寝そべりやたら上機嫌なラヴィ。
ロゼッタ『どうして着替えないの?』
ラヴィ『別に〜ただなんとなく〜』
アシュレイ『着たまま寝たら皺になるぞ』
ラヴィ『む。それは困るな。着替えてくる』
突如ソファから飛び起き走り去るラヴィ。
リネット『どうしたんでしょう?』
言葉を発さず口角が上がるアシュレイ。
ラヴィがアシュレイから服をプレゼントされた事実は一切言及されず次の展開へ。
こういうの大好物。この場面で完走を決めました。
OPでも、とあるユニットの制服が昇格に沿って差し替えられるとか。劇中ではそんな場面は映していないんです。学園には3ランクあって階級で制服が変わるのですが、彼女らが昇格した場面は一切描かれません。そういえばちょっと前にそんな事言ってたな程度。で、いつのまにかOPの絵が変わってる。たまんないです。こんなさりげない演出が随所に散りばめられてる細やかさが最高。わざわざ見直さないと『こんなの絶対わかるわけねえだろ』みたいな初見殺しでもない絶妙な力加減はもう匠の技。
なぜか古いアニメや特撮のオマージュがあるのもニヤリと出来るところ。
自分には仮面ライダーのネタはたまりません。
楽曲の品質は高いにも関わらずライブで無駄に尺稼ぎをしない構成。
当番構成でもなく毎回徹底して多数のキャラを登場させる贅沢な作り。
非常に世界観を大事にした大変素晴らしい作品でした。
花澤香菜さんの凄さも堪能できました。